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第5話①かとう

田﨑がかとうの存在に気が付いたのは2ヶ月ほど前だ。スポーツビジネスに関わる展示会に「かとう」は来ていた。


中村建設は様々なスポーツ施設の設計施工をしていることから田﨑は営業のお手伝いで展示会に借り出されていた。


かとうもスポーツウェアの素材の専門メーカーに勤めていることから展示会に来ていた。


田﨑がブース内を歩いていると急に

「ブルーウイングスの田﨑選手ですか。

一緒に写真を撮って下さい」

と言われ田﨑は驚いた。


写真を撮った後に、

ちょうど田﨑の休憩時間だったのでかとうとお昼を一緒に食べることにした。


その時にかとうという名前を知った。


「ブルーウイングスの試合はよく見てくださっているんですか」

という質問に、


「昨シーズンの降格が決まった日に初めて見ました。なのでまだ実際に試合に行った回数は一回だけなんです。」

かとうは笑いながら答えた。


「でもラグビーは好きで色々なチームの試合はよく見ていました。」

と続けて話した。


「かとうさんはラグビーに関わっていたことがあるんですか。」

と、続けて質問した。


「まさか!」

かとうはすぐに否定した。


「僕は低い身長にコンプレックスがずっとあったんですけど、初めてテレビで見たときに

小さな選手は小さな選手でも活躍できるポジションがあることに驚いたんですよ。コンプレックスになることも努力で武器に変えているような印象を受けてラグビーが好きになったにわかですよ」


「最終戦はどうして来てくれたのですか」

田﨑は聞いた。


「ブルーウイングスは最終戦見に行ったのはたまたまですね。

その時に桜庭選手、、、その時は名前も知らなかったんですけど、、、話しかけていただきびっくりしました。チームに一目惚れしたみたいにブルーウイングスの過去の映像を全部見て、応援したくなりました」

かとうは続けた。


「僕、その頃仕事で自分の立ち位置を完全に見失っていたので、仕事しかしていない自分が悩んでちゃいけないな。ってなんか思えたんです。

変ですよね」

と照れくさそうに笑いながら

かとうは一気に話した。


田﨑は

「そんなことはないですよ。」と答えながら、

最終戦の自分の気持ちを考えると、そんな風に前向きに考えてくれるかとうに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

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