第23話最終戦後夜
髙橋がレフリーの立場で試合の振り返りをしていた。
髙橋がレフリーになった今シーズンはペナルティは大きく減少した理由は、
試合ごとに、髙橋がペナルティを分析し選手の前で説明し、さらに注意を促した。
その際は口頭だけではなく、画像を編集して記憶に残る解説をしていたことが功を奏した。
しかし昨日の試合は、今シーズン初のシンビンを出したことから髙橋も責任を感じていた。
髙橋だけではなく、シンビンとなった秋野や、秋野が無理に止めなければならないプレイをした選手までチーム全体が敗因を自分の責任と考え萎縮していた。
その雰囲気を感じた髙橋は解説の最後に話を始めた。
「応援に来てくれた人に試合後謝罪をしました。
せっかく応援に来てくれたのに、負けてごめん。と、、、
その時、
ー勝ち試合を見せたいのは自分の気持ちの押し付けだと。ファンは違う気持ちで来ている。
ということを言われました。
ファンの方は負けても責めない。自分の応援するチームが負けても恥とは思わない。
ただ負けて萎縮して下を向いているチームは見たくないんじゃないかな。
同じく小学生の彼から教えられたことですが、
負けはその時の自分達の力が分かったに過ぎない。次の試合の負けを確定させるものではないよね。
まだ勝ちも負けも決まっていない状況で
自分も含めて下を向いている時間はない。
勝ちを手繰り寄せるために自分は無理矢理でも前を向きます。
みんなで負けは受け止めてその上で前に進みましょう」