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書店数推移

 実は日本の書店数のピークって1988年なんです。28,216店です。実売書店のピークは昭和63年なんだね。やっぱ書店文化というのは「昭和」って事が数字でも分かるんだね。じゃあ何で出版市場額のピークは1996年なのか。答えは簡単です。コンビニエンスストアルートつまりCVSルートが売れたからです。ちょうどコンビニの全国普及と重なるわけですね。

 が、日本の書店売場面積のピークは実は2013年なんです。売り場総面積は1,319,779坪です。もうこの時点で書店数自体は15,602店です。なんでこんなことが起きたのかと言うと巨大書店が小書店を駆逐したからです。共食いですね。オーバーストア現象とも言います。それも大型書店は小書店やコンビニでは取り扱えないような品ぞろえを豊富にしたからですね。またカフェ併設型書店の増加や書店だけど事務用品売り場が増えたことも書店面積拡大の要因ともなりました。でも一向に出版市場は上向くことは無かったのです。無駄な努力だったということです。売れたのはコーヒーや菓子類や事務用品だけ。書店業というのは基本薄利多売で書店業は小売業界の中でも薄給で有名です。小売業自体が重労働で不人気なのにさらにその業界の中でも重労働で給料が低い。もう……どうすることもできない。そりゃ書店業も一般顧客ではなく法人客つまり図書館に主軸を置くに決まってますね。

 2022年。とうとう日本の書店数は11,495店にまで落ちます。書店売場面積は1,125,325坪にまで落ちます。

 ここで「ECは?」って疑問に思う方もいるでしょう。結論から言います。コロナ禍(2020~2022)を除いて大してECは書籍売上を伸ばせませんでした。つまりインターネットでリアルの本を買う奴はあんまりいなかったという事です。イメージとは全く違いますね。というかECで売り上げ伸びてたら出版不況なんてことになってないし「紙媒体の売上が2024年に1兆円を切るかも?」なんて事態になってないって。出版総売上が下げ止まった原因は2014年から急激に伸びる電子書籍それも電子書籍の約90%を占める漫画売上のおかげなのです。コロナ禍はロックダウンを行った関係もあってどうしても本を買いたい方は強制的にECになりますからこういう結果になったのです。

 気が付けばCVSつまりコンビニの書棚が約3分1になってました。コンビニはPOSで売り上げ判断するので瞬時に売り上げが鈍い商品を撤去する冷酷さを持っています。CVSルートは基本雑誌売上が基本なので雑誌がオワコンになると自動的にコンビニ側も書棚を撤去します。結局巨大書店もコンビニも縮小する出版市場を食い合ってより弱い中小書店を駆逐し自分も自滅の道をたどったという事です。書店数はピーク時の40.8%にまで落ちました。6割減ですよ。

 よってこんなことになりました。日販は24年3月期は55億円の最終赤字となりました。23年3月期も2億の最終赤字です。トーハンは24年3月期は連結では14億円の黒字ですけど取次事業つまり本業は13億円の赤字です。そうなんです。いよいよ書店どころか大手2社の取次がやばいのです。いよいよ取次が複業しないともう生き残れないんですよ。

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