【予測3】おじいちゃん向け・おばあちゃん向けラノベになる
現時点でもう45歳前後をターゲットにしたラノベになってるわけですよね。「王道ファンタジー」→「萌え」→「異世界転生」とブームは変遷して来たんですが実は読者層の世代は変わってないんです。
――そうなんです!! 読者コア層はずばり就職氷河期世代なんです!
10代の頃に王道ファンタジーを読み20代の頃に社会に入れないもしくは悲惨な社会の中で萌えキャラを癒しにし30台後半から本格的にこの世に絶望して異世界転生願望が生まれます。その異世界もドラクエ・FFチックな世界。要は自分が10代の時にプレイしたゲーム世界ということです。これが女性なら「悪役令嬢・聖女・溺愛」になるわけですね。
ということは10年後のラノベってもうどういうものになるか予測出来ますね。80・50問題どころでは済まない近未来の日本に起りえる事。死ぬまで労働し年金が碌に支給させない中いいように使い捨てられた氷河期世代の嘆きを表現物にまで昇華させたものです。
私は案外「嘆き」ずばり「ダークファンタジー」が流行る気がします。ここからは自分も含めて反省ですが氷河期世代は弱者同士で連帯せずより弱い者を潰しネットで遊びながら自分たちもずぶずぶと沈み碌に結婚生活出来なかったあるいは離婚してしまったという状況に「人生リセット願望」や「来世」への期待を持つわけです。でもねそんな大人を見て後輩のZ世代たちはたぶんですがお荷物扱いすると思うんですよ。そして「逃げ」すら許されない状況下まで追い込まれる。
なので次に来るブームと言うのは「王道ファンタジー」の裏返しでもある「ダークファンタジー」です。もっと言うと破滅願望ですよ。
現に悪役令嬢ものを見てくださいよ。クーデターや父・母への復讐ものになってる作品が最近多くないですか? 昔の悪役令嬢ものは自分が乙女ゲーム世界の悪役令嬢に転生したと知ってそこから改心して自分を磨き破滅フラグを折るわけですよね? そういった「改心」という向上心すらも無くなっています。これ自分は悪役令嬢もののダークファンタジー化と勝手に名乗ってます。悪役令嬢もの……最近主人公である悪役令嬢は学園内で「影の者」を駆使してませんか。また自分の幼少期の心の傷をズームアップしてませんか。読者コア層は40代なのに「学園が舞台」ですよ。たぶん自分が少女時代だった時の受験戦争の心の傷があるんですよ。
じゃあ男向けはどうなるか。たぶんですよ?
――悪役令嬢を反転させた悪役貴族ブームになって悪役貴族の闇落ちだったり破滅フラグ返しになっていくのでは。
なので男向けラノベで次に来るブームはずばり「悪役貴族ダークファンタジー」ですよ。外れるといいね。もちろん男向けも学園が舞台。つまり自分が唯一まともだった学園時代まで時代が逆行する。悪役貴族なのに改心しない。物理で、魔法で破滅フラグを折るという感じですね。自分(作家)の心の病みと闇を描くわけですね。たぶん純粋なダークファンタジーよりも今のブームがスライドしていく形だと思う。そしてそんなものを読んでるお荷物氷河期を嗤う部分までがセットですよ。残念だけど我々氷河期世代は現実社会に何も生み出せなかった。一生涯お客様として過ごすあるいは使捨て労働力として使い潰されたし「外国に逃げる」という選択肢すらもとれなかった「何も出来なった無能世代」の文学として文学史に刻れて行くんだろう。




