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新たな物語の音色を奏でるカンパネラ   作者: 穴にハマった猫
8/19

モンスターと出逢いと・・・

翌朝とある事が気になり散策に出て歩く、気になった場所に着くとやはり視界の端に見えてたのは、シルバーラビットカフェだった。


「・・・フユさんの報告しないとな」


僕は深く息を吸い扉を開くと・・・


「いらっしゃい・・・」

「おはようございますマスター・・・」


チノちゃんは居ないみたいだ、マスターの居るカウンターに座り報告する。


「・・・無事に元の世界に帰りましたよ、まさかこの大陸に在るとは思いませんでしたが・・・」

「・・・そうか、帰れたんだなフユくん・・・娘には私が言っとくさ・・・

何か食って行くか?」


メニューを見て頼む事にした。


「娘さんを下さい・・・」

「冗談は好かんよキイチくん」


何故に冗談と分かったのやら、さくにゃーはシルバーラビットカフェの看板ウサギの、さくにゃーに似たチヤを見てた。

まあチヤの方が大きいけどね、さくにゃー不思議そうにチヤを見てた。


「マスター特製ホットケーキと、フラットホワイトと猫も飲めるミルク一つ」

「・・・フッ・・・好きだなフラットホワイト・・・」


マスター特製のホットケーキは、フワフワした生地でバターもなかなか濃厚な味わいだった。

お代を払いマスターに一礼し朝早くなら静かだ、シルバーラビットカフェを後にし開いてるか不明な、ギルドに向かい歩き暫くするとやっと着く。

楽に移動する乗り物が欲しくなる、歩いてる距離が結構な距離だからだ、一応暫くと言ってるが普通にのんびり歩いてたら、二時間は普通に掛かる距離は有る。


何か乗り物を作るか、飛行して目立ち危険視されるから乗り物を作る方が、身の安全は保証されるだろう・・・アーティファクトの国だし。

僕はギルドの扉を開くと、何人か冒険者らしき人がモンスター退治依頼や、小さなクエストの紙を見て居た。


クエストは鉱物系モンスターを倒し、欲しい素材を手に入れて欲しいや、植物系モンスターが低確率でドロップする素材を、入手して欲しいとかだ。

後は食料クエストが有ったり、クラン設立の仲間募集や農作業の手伝いに、土木バイトの求人など様々有る。


「キャベQは前に経験したし、無いが酒蒸し饅頭スライムも経験したから、森のモンスター退治に行くかな・・・」


異界の刀と青い戦闘服姿だが、一部以外革鎧かスチール合成金属鎧が主流らしい。

まあ少し浮いてるが大丈夫だろう、僕は近くの森に行く事にした。


街を出ると浮遊してたキューブが、低周波を一回出して暫くするとキューブが、この付近の地図を映像化する。


「このキューブ、凄いな・・・」

「にゅ~にゅ~!」


さくにゃーが肩から何かアピールしてるが、癒しにしか成らん・・・カワエエ・・・


街の近くの北の森に向かい進む、川を渡り何か岩のモンスターと戦う冒険者達を横目に、更に岩場の場所を過ぎて森に入る。

近くから気配を感じ刀を抜く、そして現れたのは・・・


「クマァ~!!」


【喜一の前にぬいぐるみの様な熊が、二体現れた】


「ファンシーにも程が有るだろうよ!」


熊はクマベアーてモンスター、爪がオリハルコンの様な固さらしい。


「爪だけ反則だろっ!」

「クマァ~!!」

「クマァ~クマァ~!!」

「クマクマうるさいよ!」


大地を蹴る様に走り素早く間合いを詰め、一撃で一体を斬り一撃離脱した直後に、今居た場所にもう一体のクマがパンチを地面にめり込ませて、クレーターを作ってた。


「パワーも見た目に反してかよっ!」

「クマクマァ~!!」


ふざけたパワー過ぎるだろうよ、早く倒してまだ居る可能性が有る以上、ノタノタ倒すのは得策ではない。

僕は素早く動き大地に拳が刺さってる間に、もう一体のクマベアーを斬り倒す。


「まだ・・・居る」


気配はするが動いて来ない、爆風で視界が悪く成るしさてどうするか・・・

気配は近くから動かない、此方の行動を探る様に動かないが他から何か来る気配が近付く。


「仕方ない、魔法を使うか・・・」


深く深呼吸し気配の方にてのひらを向ける。


「全てを凍らせる風となれ、フェンリルフラッシャー!」


僕から放たれた冷気の光は、サークル状に広がり冷気は狼の姿をし、僕の周囲以外を瞬間的に凍らせる。

寒い冷気が直径200m範囲を凍らせ、全ての生き物を氷の像に変えた。


「余り使いたく無いんだよね、半日以上氷の像だからね」


気配の確認に行くと、やはりクマベアーだったが何故か岩に座りながら、足を組みして考えてる様な姿だったが迷わずかかと落としで、粉砕して倒した。

もう一つの気配は、ヒマワリに小さな点の目らしきのが在る、何かオモチャみたいなヒマ~ワリてモンスターだった。


「ファンシーより面白いモンスターだな・・・」


回し蹴りで砕き倒して、ドロップした物はキューブが回収する、さくにゃーは寒いらしく震えてたので、素早く他の場所に移動して森を探索を再開する。


「また気配かよっ!」

「にゅ~!」


獣道の見晴らしの良い場所に黒いズングリな、猫耳に三角帽子の様な黒い頭の変なモンスターが立ち塞がる。


【喜一はネコクマーンに遭遇した】


また変なモンスターだな。


「にゃんクマー!」

「クマクマ!」

「統一性無いなぁー!!」


刀を抜くとネコクマーンは黒い棒を構え、足音も無く素早く襲い掛かるが遅い、一体目の棒を刀で払いそのまま棒ごと斬り、刀を返し斜め上に素早く切り上げ二体目を倒す、横からの伏兵の三体目を水平斬りし周りを警戒する。

また近くから伏兵が飛び出し、一刀両断に斬り倒す。

それにしても、クマの要素無かった様な・・・ドロップ品は、キューブが自動で回収してるみたいだ。


「もう居ないかな?」


刀を担いでそのまま獣道を進む、気配はしないが何かが潜んでる感じがする。

獣道の先に崖で行き止まりだが、何か戦闘をしてる様な音がしそこに向かう、暫くして見えた光景はデカイクマベアーが女性と戦ってた。

バスタードソードらしき剣を振り立ち向かうが、硬い毛に弾かれてるがよく見ると、女性の背が低く同じ様な身長のモンスターに苦戦してる様だ。


「剣が弾かれちゃう!」

「グマァ~!」


【喜一は援護に入り、ビッククマベアーと対峙する】


僕は走り加勢に入る。


「助太刀する」

「助かります」

「グマァ~!!」

「にゅ~!!」


何故に張り合ってるさくにゃー?

赤毛の三つ編みツインテールの女性が、息を整える時間を少し稼ぐ、邪魔な爪を刀で斬るとあっさり斬れた。


「硬い素材なのに嘘!」

「グマァ~!!!!」


ビッククマベアーも驚いてるらしく、狼狽え始めた隙に。


「今なら倒せるよ」

「助太刀感謝するよ!」


素早く懐に入り剣を、ビッククマベアーの心臓に突き刺す。


「グ・・・グマァ~・・・」


刀を鞘に収め赤毛の三つ編みツインテールで、赤いチュニックに黒いミニスカート姿の女性が、ドロップアイテムを回収が終わるまで待った。


「助かったよ、ありがとう」

(この人・・・強いと思う・・・なんとなく)


握手を交わした手は柔らかく、やっぱり女の子の手は柔らかくてドキドキする。


「僕は神坂 喜一だ」

「私は日向(ひなた) 凛々子(りりこ)だよ、リリーて呼んで」


何となく降りて来たあだ名を口にする。


「・・・じゃあリリ助で」

「何でリリーじゃあ無いのよ、男子は何時も私をリリ助て変なあだ名付けるし、こうなったらお返しに貴方はイッくんね」

(ふふふぅー どうよ・・・てぇ! 私が思ってた反応と違う!)


キーくんではない、なんか新鮮・・・


「・・・新しいあだ名だ・・・」

「私が望んだ反応じゃあないよ~!」

(何で嬉しそうな顔するのさ!)


こうして僕は日向 凛々子ことリリ助と、出会ったのである・・・まあ出会ってしまったかも知れない・・・

リリ助なら大丈夫な気がして、何故かリリ助は話し易く此処までの旅の話をしながら歩くと・・・


「ふん~・・・大陸外なんだイッくん・・・」

「リリ助はこの国出身なんだな・・・」

「力だけは他の女の子に負けないよ、あとヒョロガリ男子にも」


何かヒョロガリのヤツに、恨みがある様な感じだ。


「リリ助は此からどうする?」

「ウン~・・・冒険者でソロは今日始めてだけど、無理だと分かったからイッくんと組む」


ソコに僕の同意の意志が無いが、同意前提で話すリリ助・・・まあ組んでも良いけど、僕は基本ソロ戦闘しかしてないけどね。


「じゃあイッくんヨロシクね」

「僕の魔法の餌食に成るなよリリ助」

「え? ・・・」


リリ助のキョトンとした顔は、当分忘れられない顔だったが更にまだ仲間が増えるとは、この時の僕は思って無かった。


「イッくんは魔法も使えるの?」

「普通に・・・」

「ぐぬぬ・・・器用イッくんめぇー!」


何故に睨まれるんだ? そもそも器用なのか?


「僕は器用なのか?」

「器用何だよ! 私より」


理不尽過ぎるわぁ~!!

リリ助と共に森を探索を再開する、暫く西に歩いてると爆音がするのでリリ助と走り向かうと、開けた場所で戦闘? らしき光景を目にしたが、僕は雪の様に綺麗な銀髪にスカートのスリットから見えた、白い綺麗な太ももに美しい容姿にぷにぷにそうな肌の女性に、僕は少し見惚れてしまったが・・・・・本当に少しだよ、女性はデカイ岩の巨人と戦ってた・・・・・・

ライフルを片手に銃口から蒼白い閃光を放ち、ゴーレムらしき巨人に凄まじい破壊力の攻撃をするが、砕かれた端から岩が再生する様に回りから岩を吸収し、砕かれた場所が修復される。


「負けるな! ハイパーゴ~レムちゃん!」

「ご~~レム!」

「姉さん、退き時ですよ・・・」

「もう少し、もう少しリベンジさせて・・・」


リリ助の顔を見ると、ジト目で紫髪の片テイルに変な仮面をした二人を見て言う。


「街の問題児姉妹が経営してる、トルティーノカンパニーねアレ・・・」

「・・・そうなのか?」

「目眩がする程ね・・・」


呆れてるようだが相手は、その姉妹が放ったハイパーゴ~レムだかと真面目に挑んでいる。


「凜さんも律儀よね・・・」


知り合いらしい、何回か攻撃を放ってるが顔に疲れが見え始める。


「魔力を消費して放つアーティファクトだから、魔力が厳しいかもね」


それにしてもあの巨人の様な岩ゴーレムを、どう制御して動かしてるか興味津々だから。


「部外者だが助太刀するかな、あのゴーレムがどう動いてるか解体して合法的に調べられるし・・・」


リリ助はジト目で今度は此方を見ると。


「鬼畜かな? イッくん」

「探求心に鬼畜は無い、行くぞ解体に・・・」

「何かイッくんの性格の一端が、分かって来たよ・・・会ったばかりなのに・・・」


大地を蹴る様に加速し先ずは片足を、居合い抜き払いで斬り倒しかいた・・・胸を斬り中を見る、核らしきコアクリスタルが容器の中でぶつかり合い、そのエネルギーを魔力制御システムでゴーレムを形成してるらしい。

まあこの容器が心臓部で弱点、更に腕を切り落とすが何も無く岩を斬っただけ。


「あの制御で形成してるのか・・・まあ、弱点さえ分かれば楽勝なもんだな・・・」


何か虚しくなり解体を止めた・・・


「私のハイパーゴ~レムちゃんがぁ~!」

「私が殆んど作ってますが、姉さん・・・」

「それは言わない約束だよ、マイシスタァ~!」


そして疲れた顔で雪の様なウイッチハットに、肩出しのスリットドレスロングスカートに、白いブーツと白いニーソにガーターベルトらしき紐に、帽子に雪の結晶の様なリボンと薄い水色のマントを、風にたなびかせ此方に来る、凄い可愛い美少女だがまあリリ助も普通に、可愛い美少女だが此方は凛々しい雰囲気を感じる。


「もう疲れました・・・」


足元の石につまずき顔面から倒れた・・・


「痛い・・・」


美少女が台無しだな・・・あと、凛々しい雰囲気が消えたがドジっ子かな?

痛そうな倒れ方だったので、回復魔法を急いで使う・・・スカートの間から白い綺麗な・・・煩悩排除魔法に集中。


「アースヒール」

「・・・痛みが引いて行く・・・」

「それ不思議な魔法だね、イッくん」

「・・・僕らには普通だよ・・・」

「ふん~」


小腹が空いたから、キューブからお手製ドーナツを出して食べると。


「あぁーイッくんだけズルい」


ゴクリ


「私にも下さい・・・」


ゴクリ


何で僕のドーナツは、何時も女子に狙われるのだろうか?

僕の戦闘服を左右から掴み、激しく揺すられる。


「イッくん頂戴よぉ~」

(食べたい!)

「美味しそうだから、食べたいです」



だが喜一は知らない、ドーナツ好きが猛スピードで山の反対側を走ってるのを、彼女が再登場するのは近いかも知れない。


「早く頂戴よ」

「うん、早く下さい・・・えぇーとイッちゃん?」


何故か僕はイッちゃんにされた、疑問系で・・・


「あと貴女は確か・・・・・・同じクラスだった、リリッペさん」

「同じクラスだった凛々子よ! 普通に、私の名前をド・忘れないでよ凜さん」


二人は同い年らしい、ふとさっきの二人を探すがいつの間にか消えて居た。


「さっき泣きながら帰って行ったわよ、ゴーレムに乗って・・・」


呆れた顔でリリ助が言う、ついでに凜さんとリリ助に言われてた美少女に名乗る。


「僕は神坂 喜一、他の国から来た旅人だよ」

「私の時と対応違うくない?」


リリ助のボヤキを無視し彼女、凜さんは自己紹介をする。


「私は雪村(ゆきむら) (りん)彼氏居ない歴と年齢が一緒・・・」

「何か変な紹介だね、凜さん」

「?」


本人は至って普通の自己紹介だったらしい、何か天然の気がするのは気のせいだろうか?


雪村さんの武器はアーティファクトで、魔力をエネルギーに変換して撃つ武器らしいが、僕が一回使ったら雪村さんより更に強力な閃光が放たれた。

もしかしたら魔法をこのアーティファクトに通したら、通常より更に威力が増した攻撃を放てる気がする。


何故か雪村さんは僕が放った威力に、興味を持たれたが何故だろうか?

色々話を聴きたいし、魔力を使い過ぎた雪村さんはリリ助がおんぶしたが足場が悪いので、途中疲れたリリ助の代わりに僕が抱っこするとリリ助に『ズルい』とか言われた。

何がズルいのだろうか? あと、雪村さんは軽くていい匂いがする。


「・・・・・・力持ちなんですね・・・神坂さん・・・」

「えぇーと雪村さん・・・」


うるうる瞳で見ないで欲しいな・・・

お持ち帰り状態で僕はアルバトスの屋敷に、二人を連れ帰った・・・


「街外れに住んでるんだね」

「前に何人も住んだけど、直ぐ逃げて住めない屋敷が在るて聞いた事有る様な・・・」

「まあ住み始めてそんなに経ってないし、知り合いの屋敷を借りてるだけだからね」

(良く知ってるね、雪村さん・・・地元民だったな、何故かリリ助は知らないらしいが)

「ふん~」

(一人暮らしぽいね・・・)

「そうなんですね・・・」

(一人暮らしみたいですね・・・)


二人を屋敷に入れ昼には遅く、おやつには良い時間なのでダイニングで待って貰った。


「にゅ~!」

「はい煮干し」

「にゅ~にゅ~!」


嬉しそうだ、まあ高い煮干しだしね・・・

雪村さんは疲れてるので例のさくらんぼドーナツを、リリ助は・・・チョコドーナツで良いか、僕はフルコンプリートを皿に並べ、先にリリ助と雪村さんに出す。


「どうぞ、僕特製のドーナツ」

「・・・何で私はチョコだけなの?」


僕特製は無視しかよ二人共・・・


「私は不思議な香りがする、ホワイトチョコのドーナツ」


リリ助が文句を言うので。


「要らなければ雪村さん食べて」

「食べるわよ!」


何かふて腐れてるリリ助だが、一口食べると静かに成った。

何故か雪村さんはモジモジしてるが・・・


「飲み物は果物と野菜のミックスジュースね、白桃の香りが結構するかな」

「へえ~」

「野菜と果物ですか・・・」


二人は同時に飲み・・・


「お代わりイッくん」

「私も!」


気に入ったらしいが、飲むの女子にしては早くない?


「甘い誘惑のハーモニー・・・」


リリ助が至福とドーナツを完食すれば、雪村さんは・・・


「あの・・・ドーナツお代わり、お願いします」


赤い顔して皿を出し、申し訳なさそうにお代わりを要求。


「私も!」

「出さないよ、二人共」


何故か雪村さんはしょんぼりし、リリ助は・・・


「お願いイッくん、何でも言う事聞くから・・・ねぇ」


うるうる瞳で訴えるリリ助、ドーナツに必死過ぎるよ。


「・・・材料が足りないしな・・・」

「買ってくるよ」


リリ助に引導を渡す。


「僕の故郷の果物買えればね」

(まあ、ユリさんに買い物頼めば材料が揃うし、また作るけどさくらんぼの方がね・・・)


リリ助は財布を片手に・・・


「材料買いに旅に出るわ」

「出るなよ、そもそも自分でドーナツ作りなよ」

「イッくんのドーナツ美味しいもん」


何故かリリ助は、力説モードになると雪村さんは・・・


「次はロールケーキ食べたいです」

「じゃあ私はエクレア食べたい」


何で注文してるの二人共・・・

それにそろそろ此処に居る目的を、そろそろ実行したいから雪原に行って、機材やアーティファクトを造る技術を覚えたいし。


「僕は少ししたら、雪原の遺跡とか探索に行くから、たぶん無理」


二人は顔を見合せてから・・・


「じゃあ同行するよイッくん」

「りりにゃーが行くんなら、私も行く」

「・・・凜さん・・・ワザト間違えてない?」

「・・・そんな事ないです・・・」


怪しく目を逸らす雪村さん、本当にそうだろうか?

そして何かを決意し二人は帰って行った。


「何か嵐の予感・・・」

「にゅ~?」


翌日今度は川で、魚のモンスターと対峙するが・・・


「イッくんはドーナツを量産しててよ」

「ロールケーキもお願いします」


何故か居る二人・・・


「何で居るのかな?」

「仲間にして貰う為だよ」

「私も同じく」


リリ助は駆け出して、昨日言ってたよね?


「旅に同行するなら自分の荷物や旅費は、旅の基本だけど自分で賄ってね」

「・・・沢山要るのイッくん」


恐る恐る聞くリリ助に言う。


「寝袋や寒冷地装備とか、それなりに・・・まあ僕はそこら辺は対策済み、あと自分の夜営もつい最近クリアーしたし」


エルクさんから貰ったアイテムは、十分に雪原でも使えるし羽織や外套とか気温に左右されない防具、砂漠でも使えそうだ。


「防寒具や旅費に夜営ねぇ~」

「テントていくら位ですか?」


雪村さんが聞いたので、水龍道具屋基準の値段を言う。


「普通のテントなら、安くてグリフォン銀貨二枚かな、冬山探検家仕様は確か珍しいモンスター素材だから、ドラゴン白金貨一枚位してたな・・・」


青ざめる雪村さんとリリ助、まあ水龍道具屋基準だけどね。

だが暫くするとリリ助が、閃いた顔をしとんでもない事を言う。


「そうだ、寒いならイッくんと一緒に夜過ごせば、問題ないよね」


僕は男だよリリ助。


「・・・問題しかないな」

「神坂さんなら信頼出来ます」


雪村さん、信頼が重いよ・・・


「勝手に信頼しないでくれ」


流石に理性保てなく・・・部屋沢山有るから、口止めすれば・・・でもなぁ~信頼出来るかは、まだ分からないしな・・・会ったばかりだし背中を預けれる、信頼すら無いからね。


「良いアイディアだと思ったのに・・・」

(この機に乗じて親密に成れば、お菓子を私に沢山作ってくれるかも知れないし)


凛々子の考えは甘いのだった・・・お菓子だけに。


「では旅をしながら稼げば・・・」


雪村さんは良いアイディアと思って、言ったらしいが・・・


「食料とか買える町や村が途中で在ればね・・・」

「そこは調べましょう」


何か考えが有るのかな?


「どうやって?」

「ギルドで!」


僕は必要無いので・・・


「二人で頑張ってね、僕は此処に来るまでの蓄え有るから」


まあだいぶ減ってるけどね、食料は旅に出る前までに調理して、キューブに1ヶ月位のストックを作れば良いかな。

そう僕は考えてた、沢山異界の食材は豊富だし小人達の店から色々買えば良いと思ってた・・・

そう雪村さんにゲートを知られるまでは・・・


その日は二人共にギルドに向かった・・・

僕はさくにゃーの食料・・・もとい、魚モンスターを狩ってから帰った。


「うにゅ~!」


さくにゃーに魚のホイル蒸し料理を出したら、猫が食べない野菜まで完食したので、やはりさくにゃーは謎多き猫型謎生物だ。


さくにゃーが気に入った魚のホイル蒸しも、作り置き食料に加えクジラモンスターの肉を、竜田揚げを作り冷ましてからさくにゃーに与えると。


「うりうりいりうゅー~!!」


跳び跳ねたり屋敷の中を走ったりと、テンションが相当上がったらしく小一時間位、跳び跳ね走り続けて居た。

異界のモンスタークジラ肉は、ステーキにも対応出来る肉質で試しに夕食に作り食べたが、想像の天井をぶち破り最高級のステーキと、騙され食べても疑わないかも知れない・・・

まあ最高級ステーキ、食べた事無いから分からないけどね・・・


異界のモンスター牛や普通の牛は、すき焼や牛丼に作れる様に薄く肉を専用包丁で切り、トレーに用途のインデックスを貼り付けキューブに保管。


夜も更けて来たのでさくにゃーと風呂に入り、水分補給して今日はさくにゃーと布団で一緒に寝る。

猫と同じく尻を僕の顔方に向け寝るさくにゃー、猫の行動をすれば猫じゃない行動もするさくにゃー、一体さくにゃーはどんな生き物なんだろう?

まあさくにゃーは可愛いので、どうでも良いかと考えてた事を捨てぐっすり眠った。


翌朝は野菜ジュースを作り果物がピンチ、エルクさんの所に後で小豆を買いに行く予定。

今日はユリさんが来る日だから、一応書き置きしておく。

小人や妖精達の店に買い物しに行くからだ、たぶん野菜は鬼人から買いなさいとか、絶対ユリさんに後で言われそう。


「おはようございます神坂さん」


さて、行くかな・・・

僕はこの時何で雪村さんに、なぜ気付かなかったかと言うと、小人のキミコ青果店のスイカや桃を期待してたからだ。

他にも妖精店の夏の花蜜の特売や、たまに新メニューのブレンドハーブ蜂蜜ティーとか、売られてたりするからだ・・・普通には買えないからね、母のコネクション無いと・・・感謝感謝だが、僕が作った試作お菓子のつまみ食いはやめて欲しい。


「あの~神坂さん?」


僕はルンルン気分で地下に向かった・・・


「無視しないで神坂さん・・・私も、あだ名で呼んだら気付いてくれるかな?」


凜は喜一の後に続き何処に行くのか、一応付いて行く凜であった。

喜一はスキップしそうな足取りで地下に行き、凜は何故地下に行くのに嬉しそうなのか疑問だった?


「神坂さん、地下に何か様なのかしら?」

「買い物楽しみだな~♪」

「?」


頭を傾げる凜を他所に、喜一ルンルン気分で地下のゲートの部屋を空け、中に入った。


「・・・何の部屋なのかしら? 扉が沢山・・・」


喜一はその一つの扉を開き扉の先に行く、凜も後を追い行った先には不思議な光景が広がって居た。

地元とは違う風の香りと日差しの強さ、初めて遭遇する小さな人間の様な生き物。

綺麗な天使の翼を持つ小さな、妖精らしき者やヘンテコな生き物や角が生えた人が居た。


「よお、喜一今日は珍しい場所から彼女連れて、買い物か? 喜一」

「?」


喜一は振り向きフリーズした、やっと凜の存在を認識した瞬間だったのである。



続く・・・・・・

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