旅の準備と食材集め
リリ助が食材集めの仲間に入り、僕らは牛モンスターが居る高原に向かった。
高原は広く周りを見渡す事が出来るが、リリ助とリンさんからは何かのオーラが吹き出してる、何故か睨み合い気を放つ。
高原のモンスターはやはり、マスコットみたいなモンスターだらけで、牛モンスターもやはり牛ぬいぐるみモンスターだった。
黒い艶やかな毛に抱っこするともふもふそうな胴体、角は凶暴で硬そうだ。
アレがどうやって美味い肉が、ドロップされるのか分からないが、リンさんは例のライフルで牛モンスターを撃ち倒し、リリ助も出会った時より動きが良い。
まあリンさんとリリ助は、目線が合うと火花らしきのが見えた気がする。
「さて僕は今日は新しい武器を使うかな」
キューブから連続エネルギー弾丸式の、魔力エネルギーガンを出した。
「モンスターに容赦はしない・・・」
僕はモンスターの群れに向い、本体横に収納されたグリップを出して立て握り、姿勢を安定させトリガーを引いて魔力の弾丸の雨嵐を叩き込む。
一瞬にして光の粒子に変わるモンスター達、二人は僕に何か言いたい的な顔をする。
ドロップした肉は上質らしく、ステンレストレイやプラスチックトレイに、高そうな木製トレイに入ってた。
特に霜降は木製の豪華なトレイに入ってて、今の肉のドロップでは最高級らしいので、思わずガッツポーズをしてしまった程だ。
「ヨシ!」
「「・・・・・・・・・」」
冷ややかな視線を感じるが無視だ、最高級霜降は僕が今日すき焼にして食べるぞ。
次に王冠の様な髪型の、牛モンスターが茂みから現れた。
「アレ、レアモンスターだよイッくん」
リリ助がモンスターに指差し言えば、リンさんは。
「アレは・・・キングブルですね」
何か犬のブルドックみたいなニュアンスだな、僕は久し振りに血が湧き心踊るモンスターに出くわした、まあ・・・見た目アレだが獲物は逃がさない。
姿勢を低くし大地を蹴る様に走り、武器を刀に変え向こうも角を立て、反撃体制に入るが更に足にオーラを纏わせ刀を抜き、払い抜けでモンスターを斬り倒した。
モンスターは驚きながら、光の粒子に成り消えた。
「何かイッくんは戦い馴れ過ぎだね、同い年なのに」
何か不満そうにリリ助が言うので、言葉を返した。
「もう数ヶ月旅をしてるし、僕は学生時代から経験を重ねてるからね」
そう言うとリンさんが言う。
「学生時代から戦闘経験が有るのですか?」
リンさんの問いに答える。
「学園都市の図書館を攻略してたからね、飛行魔法覚えるまでは学園都市の寮だったな、自炊だったけど・・・・・・」
学園都市とは何か凛と凛々子は興味津々に、話を聞こうとしたが喜一は新しいモンスターを発見して、もう居なかった。
「学園都市てどんな所だろうね、凛さん」
「そうですね、一度見てみたいですねリリにゃー」
絶対わざとにゃーを付けてると、凛々子は確信した。
そして喜一は牛モンスターを倒し、二重の意味で大きく息を吐く、学園都市の話を聞かれそうな気配と新たなモンスターは、もふもふなヤギぬいぐるみの様なモンスターだったが、毛は高いお金に成るらしいけど、肉は最低ランクの質らしいし、どうやら相当食肉には向かないみたいだから、他の用途を検討にまわす。
あと学園都市の話しは余りしたくない、色々裏で通り名が付けられてるのを知ってるし、自称ガーディアンとか名乗る自分達が正義で、正義に従わない奴は悪と言う迷惑な自己主張が激しい、学園都市の風紀を乱す非公認風紀取り締まりのガーディアン達。
まあうるさく付きまとって来たから、一応風紀統括に聞いてから魔法で駆逐したけど、アイツらはゴキブリの様に復活して迷惑な正義をかざし、口の他に武器や魔法を使い過激に成って来たので、奴らの拠点にしてた場所を風紀統括に確認してから殲滅した。
鬱陶しい奴らだったが、卒業式に居なかったし退学に成ったか、鬼軍曹と呼ばれた冒険者科の教師相良先生に、性根を叩き直されてるかだ。
あの無表情で行動が読めない教師は、魔法以外は最強の実力を持つ教師だろう。
隠密系スキルを会得を決意したのは、その相良先生の影響も有るしアドバイスもあるはず・・・忘れたけど。
数ヶ月前の事を振り返りながら、まだ有るが色々嫌な奴らが出て来るから、忘れよう・・・
弟は学園都市には居ないが他の野球名門高に居る、たまに格好付けハンカチで汗を拭いたり、何故か歯を見せクールぶって女子に色目を使ってるが、アイツは基本シスコンだから表とシスコンの顔を使い分けて居る。
まあ妹には相当嫌われてるが、アイツは懲りずに実妹に恥ずかしいポエムや愛を語り、グーパンで殴られて家から追い返されてたりする。
無駄に顔面偏差値が高い弟だが、シスコンとナルシストをやめればマトモなんだが・・・
あと何でアイツは僕より背が高いんだ、あと僕よりあとなのにアイツは顔面偏差値が異常に高い、僕の初恋の片思いの女子はアイツに奪われたしな、しかも簡単にアイツはフリやがったし・・・・・・ちくちょう!
あとリリ助とリンさんをアイツに会わせたくない、男として何かアイツに会わせたくない・・・・・・
あと母にも会わせたくない、何故かって? 彼女を二人もとか勘違いされたくはないから。
まあ異性として二人は魅力的だけど、片方に寄り掛かるのは僕は嫌なんだよね、二人で手を握り共に生きて行く人が、僕の理想かな・・・・・・理想だけどね・・・・・・
僕は更にモンスターを狩りたまに、リリ助に旅での戦い方のアドバイスをしてたら、何故かリンさんが死んだ魚の様な目で此方を見てた。
何か怖いんだが・・・・・・
他にも釣竿で魚を釣ったりとか色々二人に教えた、二人が倒したモンスターのお金はそれなりだったが、やはり長い旅の日程の軍資金にしては足りない。
僕は大抵の事は出来るけどそれは、自分だけが前提であり複数の仲間と食料に成るモンスターが、雪原に居るかにも関わる。
だから僕は買い物に行ったのだ、軽い覚悟では旅は出来ないし戦闘だって逃げ腰では、前に進めないし死を覚悟しなければ成らない。
まあこの大陸は見た目がファンシーだから、モンスターの脅威は見た目に似合わない戦闘能力の有る、未知のファンシーモンスターだろう。
リリ助がモンスター素材をくれるらしいので、鑑定してお金を渡す予定だ。
リンさんも何か無いかと探し、川で何か見付けたらしいので素材なら、買い取る予定だ。
まあ二人共に素材としては弱い部類だったけど、流れ弾で倒した狼とかは街で売れるらしいので、流れ弾でも倒したリンさんが売りに行くらしい。
今日は解散して別れたが、何故かリリ助が付いて来て相談に乗った。
「イッくん、私は強く成りたいけどどう鍛えれば良い?」
僕は思ってた事がある、パワーは有るけどリリ助は他に戦える術が有るのではと。
オーラを媒介にした筒型のソード柄を、キューブから出してリリ助に渡した。
「それは自分のオーラ・・・そうだな魔力とは違う、生命エネルギー・・・気を媒介にした武器だよ」
「魔力を使わない武器・・・・・・」
僕は修行で両方使えるけど、どんな修行かは秘密だ。
「握り方は剣と同じだよ、あとは気を・・・・・・」
拳に気を纏う様に・・・グリップに流し纏わせる。
「こんな感じかな」
ぶぉんと唸りを揚げプラズマの様にスパークして、オーラエネルギーを集束したエネルギーは、青白いエネルギー刃を形成する。
「──イッくんだと、魔力なのか分からないよね」
そんな事を言われても困る、リリ助にオーラを纏わせるのを暗く成るまで教えてたが、リリ助は柔らかく小さな手に良い香りがしたし、心臓がドキドキしてたまにリリ助と目が合うと何故か、更に動悸が・・・・・・
リリ助は一人暮らしを今してるらしいが、食堂で食べたりしてるのけど、家は基本18歳に成ったら自活だとリリ助はぼやいてた。
父親は逆に家に居て欲しかったらしいが、母親が厳しいらしいがそれはリリ助の為にらしい。
あと父親の娘離れを促進や、やんちゃな双子の弟が姉を頼らずに勉強させたいとか、色々言われたらしい。
「料理は覚えて基礎さえ物にすれば、自分が食べたい物は何時でも作れるよ、まあ僕はお菓子だけは誰にも教えないけど」
リリ助がうるうる瞳で僕を見ながら言う。
「イッくん料理教えて、旅費貯まらないよ~」
だが凛々子はこの後スパルタで、料理を学ぶが手の使い方が危なければ、喜一から殺気が放たれるわ間違った方向に向かうと、更に殺気を受け凛々子は涙しながら料理を作るのだった。
「・・・・・・イッくんできたよ・・・・・・」
「普通にシチューを作るのに、何故かリリ助は隠し味にこだわろうとするよね」
へろへろな凛々子には、喜一の言葉は届かなかった。
遅い夕食にし、授業以外で初めて一人で作る料理は美味しかったと、半分死んだ眼で言ってた。
リリ助には客間で寝て貰う、食器は洗浄機で洗いリリ助が去った後、僕は作業を開始する。
買って来た食材を出して、素早く処理をし用途に分けてタッパーに入れて行く、野菜の次は肉だが専用のまな板と包丁を出して薄切り用、ステーキ用やブロック肉に分けてる。
ミンチミキサーを出しミンチ肉を作り、合い挽きは鑑定してから慎重に合わせ、ハンバーグ用とキャベツ入りメンチカツや、ジャガイモに混ぜてコロッケ用も整形してステンレストレーに入れて、キューブに入れとく。
次は僕の癒しのメイン、今日仕入れた果物を使ったドーナツと、ロールケーキだがリリ助はもう寝たよな・・・・・・
時計の針は夜二十三時に成る所だ、さくにゃーはソファーで寝てるのか静かだ。
家より良いオーブンを使い、焼きドーナツとロールケーキの生地を作る、先ずは型を用意し大量に作ってある生地の元を流し入れ、ゆっくり焼いて行く。
リリ助が香りに気付けても、さっきの場所ではないので大丈夫だと思いたい。
ホワイトチョコを湯煎で溶かし、何種類かに別けて焼き上がったドーナツに軽く付ける、バットに入れチョコを固まらせる。
ロール生地は粗熱寝かせて冷ます、そして・・・
ピンポ~ン♪
こんな夜中に誰だ? まさかリンさんか・・・まさかね、うなぎ以来会って無いし・・・
ピンポ~ン♪
一斉撤収、警戒レベルA・・・誰だか分からんが夜中に非常識だが、あの食いしん坊ならあり得るかも。
秋刀魚の時期までまだ時期は来ない、さてどう迎え撃とうか・・・
ピンポ~ン♪
早く出ろと・・・仕方ない出るか・・・
胃を決して・・・間違えた、意を決して向かい一応武器を片手にドアを開けたらそこには、見知らぬ女性が居たけど何故か一目見て、この人を守りたいなと思ったけど次の言葉に固まる。
「ねむたいよ~イッくん・・・・・・ぐぅ~」
「客間で寝ろ!」
(私のタイプ・・・ではなくてドーナツよ、ドーナツ・・・でも一目惚れしちゃうくらい・・・でもドーナツがぁ~
)
そして彼女は言う・・・
「私のドーナツ何処?」
「・・・・・・帰れ!」
可哀想だが変な事を言うし、僕は直ぐに扉を閉めた。
ピンポ~ン♪・・・ピンポ~ン♪
再び扉を開けると、ズッキュンと胸を撃つ・・・つぶらな瞳で彼女は居た・・・コレ卑怯だよ、本格化に惚れちゃうよ・・・変な子だけど・・・好きになってるよ!
「ドーナツ食べさせて下さい、お願いします・・・」
ドーナツ食べる為にどけ座だと・・・なんだろう、罪悪感が
・・・何か罪悪感がぁ~
「ど・・・・・・ど・・・ほぇ~・・・て、ドーナツ!!」
お前もかぁ~ リリ助!
目を覚ましたリリ助、面倒な夜中に成った・・・




