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1話

 突然だが片思いをしたことがあるだろうか?


 片思いは一方通行で、その思いを伝えなければいけない。

 それをできない人が片思いをしてしまう。


 そんなことを思っている俺は今、絶賛片思い中だ。その女性はクラス一の美少女と名高い、同じクラスの九条凛香という名前の人。

 風になびく長髪から天使の粉が落ちてくるのではないのかと思ってしまうほど、きれいな人だ。クラスの中でひっそりと過ごす陰キャの俺には、到底手が届かない相手。


 なので俺はこのどうしようのない気持ちを発散するため、九条さんへの愛をSNSの裏アカで投稿している。


『かわいいかわいいかわいいかわいい』

『今日目があった! くりくりした目もかわわわ』

『好きなんだけど片思い。好きなんだけど片思い。絶対手が届かない人に片思いしてしまった』

『好きだ』

『愛してるぅうううう!』


 だが、どれだけ投稿しても気持ちが晴れることはない。

 逆に好きという気持ちを発散したことによって、もっと九条さんのことが好きになってしまっているので逆効果になっている。


 九条さんのことはあまり知らないけど、ただ好き。

 それだけが片思いしている理由だ。


 キーンコーンカーンコーン


 チャイムの音が下校の時間を教えてくれた。


 教室には俺一人。クラスの人たちは委員会や、部活動に行ってしまった。

 俺は帰宅部なのだが……今までやっていたのは、家でやりそこねたプリントだ。


 ガタン


 チャイムと同時に終わったプリントを見ていると、教室の扉が開いた。

 誰かと目を向けると、そこにいたのは片思い中の九条さん。


 忘れ物でもしたのかな……。


 ジロジロと見ていたら変なふうに思われるかもしれない、と思い俺は正面を向いて再びプリントの確認を始めた。


 何事もなく去っていく。

 そう思ったのだが、九条さんの足は俺の席の前で止まった。


 黒い人影がプリントを覆ったのを見て顔を上げる。


「えっと……」


 九条さんが俺のことをジッと見ていた。口を開かず、腕を組み、豊満な胸を強調させながらただ俺のことを見つめていた。


 自然と目が合い、恥ずかしくなって逸してしまう。

 

「あなた、柳貴斗っていう名前だよね」


「は、はい」


 たどたどしく返答すると、九条さんはポケットからスマホを取り出した。

 

 まさかいきなり連絡先を交換するのか……と思った。が、その希望はスマホの画面に映し出された文字を見て儚く散った。


「柳くん。私のこと好き、なの?」


 見せてきたのは俺が九条さんへの愛を叫んでいる裏アカ。

 

「えっ? えっ? な、な、ん?」


「あれ? この裏アカ、柳くんのものだよね。だって所々に書く片思いしている人って絶対私のことだもん」


 所々に書くって……。

 まさか本人の九条さんに全部見られてたってこと!?


「ご、ごめんなさい」


「なんで謝るの?」


「え。だって、知らないクラスの男から裏アカで愛を叫ばれたら気持ち悪いですよね……」


「そう思って投稿してたんだね?」


「いえ。投稿するときは、片思いのどうしょうもない気持ちを発散したいなっていう気持ちでした」


 片思いをしている人に裏アカを見つけられて、その投稿したときの気持ちを告白して……。クラスの人にこのことをバラされたら、もう俺の学校生活は終わりだ。


 俺はこれから一体どうなってしまうんだろうか。


 不安に頭が一杯になっている俺に、九条さんは首を縦に振り。


「そっかそっか。片思いの気持ちを発散、ね。柳くんって自分の気持ちはあんまりさらけ出さないと思ってたから意外」


「……それほど九条さん。あなたへの気持ちが昂ぶっていたからです」


 キリッと目を見てそう言い切ると、九条さんの頬は紅色に染まった気がした。確認しようとしたが、顔を逸らされてしまった。

 

 いつも裏アカで投稿している時のような口調になってたけど、これってもしかして告白に近いものなんじゃないか?

 

「ふ、ふぅ〜ん。気持ちが昂ぶっちゃったんだ」 

 

 チラチラと俺の顔を伺う九条さん。


 勇気が出ず、ずっとしていた片思い。

 今日この時が過去の自分とお別れする日だ。


「九条さん。好きです。付き合ってください!」


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よかったらそちらもぜひ



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