第15話「初めて勝った! 初めて守った!」
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「ねぇ、君。凄く可愛い。それとプラチナの髪が凄く綺麗だね。僕と遊びに行かない?」
ツェツィリアの言った通りである。
冒険者ギルドへ行く道すがら……
アルセーヌと手をつないだツェツィリアは、王都の男達から執拗な『ナンパ攻撃』にさらされた。
「お断り! ほら! 私にはちゃんと彼が居ます」
言い寄る男達へ、ツェツィリアはしっかりと言い切ってくれた。
つないだ手を誇示するようにアピールした。
『想い人』のアルセーヌひと筋であると。
改めてアルセーヌは安堵した。
何度気持ちを新たにしても、やはり自信満々とはいかなかったからだ。
ツェツィリアは、素敵なイケメンの甘い言葉にも、どんなしつこい誘いにも応じなかった。
一切のアプローチを断固拒否してくれた。
普通、こうもきっぱり断られたら、あっさり諦めるものである。
だが……男達は一緒に居るアルセーヌなど存在すら無視。
完全に舐めていた。
ツェツィリアに断られても断られても、蛇のように執念深く強引に誘って来る。
中には……
手を「ひょいっ」と伸ばして来て、ツェツィリアを強引に連れ去ろうとする、
とんでもない男も居た。
こうなれば、アルセーヌはツェツィリアを守る『盾』となるしかない。
そして、敵を倒す『剣』にもならなければいけない。
しかしながら……
アルセーヌは生まれてから一度もケンカをした事がない。
というか、出来なかった。
情けない!
最低!
今まで誰にもそう言われて来た。
自分自身でもそう思う。
悔しい!
自分の弱さが腹立たしい!
しかし……駄目だった。
狂犬のように猛る相手と対峙すると……
身体が震える。
足もすくむ。
動けなくなる。
気持ちが萎える。
酷く臆してしまうのだ。
結果、ボロ雑巾のように一方的に殴られる……
けれど、いつものように怖がってはいられない。
殴られる痛みを恐れてはいけない!
大切な『想い人』を強奪されるわけにはいかない!
だから、一世一代の勇気を振り絞る。
「お、お、お、おいっ!」
「なんでぇ、てめ、このくそガキ! 引っ込んでろ、ぶっ殺すぞ!」
「……お、お、お、俺の女に! ふ、ふ、触れるなぁっ!」
「あ、あぎゃあああああ~~っ!! てててててててっ!!」
ツェツィリアの肩を触ろうとする不埒なナンパ男の腕を恐る恐る掴むと……
意外にも、相手は大袈裟に? 悲鳴をあげた。
アルセーヌは、びっくりした。
軽く掴んだはずの相手が酷く痛がったから。
そして、自分でも信じられないくらい身体が軽く、そして動く。
何故か相手の動きがスローモーションのように遅く感じる。
こんなひ弱なクソガキが!
ふざけやがって!
本気でぶっ殺してやるぅ!!
怒りと苦痛で顔をゆがめた男は殺意を込め、
空いた片手でアルセーヌを殴ろうとした。
だが、その動きは……やはり遅い。
ここで、ツェツィリアが授けた作戦通り、アルセーヌの平手打ちがさく裂!?
しかし!
生まれて初めて大切な女子を守るアルセーヌに余裕はない。
平手打ちの事などすっかり失念していた。
アルセーヌは、殴りかかって来た男の拳を、自然に軽々と躱す。
そして、痛みに悲鳴をあげる男を、逆に思い切り投げ飛ばしてしまう。
投げられた男は、空中で回転しながら、絶叫する。
「わあああああああああああ~~っ!!」
そして、派手に背中から石畳へ落ち、呆気なく気絶してしまった。
だが、こうなると大騒ぎとなってしまう。
喧嘩&暴力事件として、野次馬から通報を受けた衛兵がすっ飛んで来たのだ。
しかし周囲に目撃者が多々居たのと、
ツェツィリアが衛兵へ『事情』を話すと、アルセーヌは正当防衛を認められた。
少々過剰防衛の感もあった。
だが……
女子を魔手から守るナイトという男子は、ヴァレンタイン王国では称えられる傾向があった。
その為、事情を知った衛兵は、責めるどころか、
逆にアルセーヌを「良くやった」と褒めてくれたのである。
ちなみにアルセーヌが投げ飛ばしたのは……
かつて自分を迷宮へ置き去りにした男バスチアンに良く似た、
筋骨隆々のたくましい男であった。
アルセーヌは意外な結果に驚いてしまった。
戦いに不慣れな自分には信じられない。
一方、ツェツィリアは「にこにこ」している。
我が意を得たり!
という顔付きだ。
「ほらね、アルセーヌ。私の言う通りでしょ!」
「し、信じられない! 夢を見ているんじゃないだろうか?」
「いいえ、夢じゃなく現実よ。 力なき正義は悪!」
「力なき正義は悪……」
「ええ、大切な人を守る為には力が必要なの。貴方にはもう覚醒が始まっているわ」
「こ、これが! ……か、覚醒か? ケンカに勝つなんて俺には全く縁がないと思っていたよ」
ツェツィリアの言葉を聞き、アルセーヌも満面の笑みを浮かべていた。
今までなら絶対勝てないと思っていた筋骨隆々な相手。
不埒なナンパ男をあっさり排除したので、強い自信が生まれたのだ。
「貴方はね、いろいろな奴らから、こき使われていた。だから知らない間に基礎体力が、しっかりとついていたのよ」
「な、成る程! 散々やらされたパシリや荷物運びは無駄じゃなかったんだ」
「ええ、無駄じゃない。積み重ねた経験に無駄なものはない! それにまだあるわ」
「まだ?」
「アルセーヌと迷宮で抱き合い、私の魔力が貴方の体内魔力と融合したわ」
「ゆ、融合?」
「ええ、お互いの魔力が突然変異を起こしたの」
「と、突然変異? 確かにあの時、何か不思議な感じだった」
「ええ、簡単に言えば、アルセーヌの五感と身体能力が著しくパワーアップしているのよ」
「ああ、パワーアップか! 確かに! い、以前とは全然違う! あんな強そうな奴を投げ飛ばしたなんて!」
「うふふふ、嬉しい?」
「ああ、勝つって、嬉しい! 負けっ放しの人生だったから!」
「ね! トライして良かったでしょ?」
「そうかも! か、身体が凄く軽いよ。力もどんどん湧いて来るんだ!」
「じゃあ、少しは度胸もついた?」
「ああ、あいつを倒して自信がついた! 全然怖くない! 今度こそもう大丈夫だ!」
自分はどんどん変わっている。
もう誰が来ても怖くない!
大好きなツェツィリアをしっかり守れる!
顔を見合わせ、頷き合ったふたりは、再び歩き出したのである。
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最後に、
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「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」
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