第八話
一日一話投稿をキープして、投稿しています
今回は、初の戦闘シーンです
三人称にすべきか一人称にすべきか迷いましたけど、今回は一人称で書いてみました。
分かりにくかったら、次の戦闘から三人称にしようかなと思います
私は、妙な感覚で目を覚ました。時間を見ると午前の三時を回っていた。
「まったく……ゆっくり寝かして欲しいんだけどな。夜襲は戦闘の基本だけど、やられる側の方も考えて欲しいな。」
私は耳を澄ましてみると、ヒタヒタと近づいて来る足音に気が付いた。足音の数は、数人程度だ。
「和人、少し待っといてね。ちょっと敵さんの相手してくるからね。」
そしてドアの和人の部屋の目の前で足音が止まる。
「はぁ、仕方ないな。」
私は、勢いよくドアを開かれると迷いもなく相手の顔に蹴りをかました。武装していた男は、その蹴りで気を失ったのか後ろに倒れてしまう。
「やはり『炎帝』がいたか。だが、今回は貴様の相手は俺たちじゃない。お前の相手は、こいつにしてもらう。」
男が指をさすと後ろから一人の女性が現れた。私は、その女性を見た瞬間に目を見開いた。ショートヘアで平均ぐらいの身長、活発しそうなその顔。私の目の前に現れたのは、雪菜ちゃんだ。だけどいつもの雪菜ちゃんじゃないのは、すぐに察した。
「あなたたち、雪菜ちゃんに何をしたの?」
「そんなの『炎帝』のお前に教えてやる義理は、ない。やれ。」
「わかりました。」
雪菜が手を前に出すと、雪菜の周りに氷の氷柱みたいなのが何個も形成されていく。私は、すかさずポケットから少し大きめの輝く石を取り出す。
「アイスランス」
「起動『炎帝』」
私が『炎帝』を起動させると氷が一瞬で蒸気となり、少し爆発音が響く。そして辺り一面を霧のように覆いつくす。私は迷うことなく、蒸気の中を走り武装した男たちに鞘状態で刀を腹部などに当てて、意識を失わさせる。
「あとは、残ってるのは雪菜ちゃんだけだね。ここじゃ危ないから、少しお外に行こうか。炎帝壱式『炎刀カグツチ』」
私は、刀身に炎を纏わせていく。そして刀を振り上げると、雪菜ちゃんの足元から火が上に上がっていく。
雪菜ちゃんは、屋上まで上がっただろうな。私も上に上がらないとね。
和人の方を一度見てみると安らかそうに寝ていた。和人、もう少しだけ待っといてね。雪菜ちゃんのこと、助けてくるから。私は、地面を蹴ると一気に穴の開いた屋上までたどり着いた。
「雪菜ちゃん、お待たせ。それじゃあ、やろっか。」
私は、じっと刀を構えて雪菜ちゃんの行動をするのを待っている。
雪菜ちゃんは氷だから私の炎だと相殺できるし、油断さえしなかったら負けることはないかな。けど氷を生成する程度の力になると……
「アイスブレード」
雪菜ちゃんが氷の刀を生成して切りかかってくる。雪菜ちゃんの身体能力が元から高いせいか、刀の振る速度は早い。斬撃を丁寧に弾きながら、動きを分析していく。
「さすがは、雪菜ちゃん。だけど、早いだけじゃ意味ないよ!」
私は刀を少し弾いて、力をいれて刀を刀身に向けて振り切った。私が刀を振り切ると、雪菜ちゃんの刀が綺麗に折れていた。そのまま追撃しようと刀を振ろうとしたが、すぐに雪菜ちゃんが距離を取っていたため、刀を構え直す。
「雪菜ちゃんのその力って、私と似ているね。つまり、精霊石の複製を持たされたのかな。けどそれじゃあ、人の人格を壊すほどまでの力はないと思うんだけどな。つまり、あの仮面に何か仕掛けがあるのかな。とりあえず、一度壊してみようかな。」
雪菜ちゃんの顔には、妙な仮面がつけられている。仮面は目の所にだけ、妙な仮面がつけられている。精霊石の複製を扱ってる人を何人か見たことがあるが、こんな風に命令通りに動く人形みたいになることは、無かった。
「炎帝弐式『炎槍ジャックオーランタン』」
刀が形状が変わって、槍に変えた。普通の槍なら先が刺し貫くように尖がっているが、少し丸みをつけて、意識を飛ばさせるように改良した。私は、槍を投擲するように構えて力を溜めていく。
「アイスショット」
雪菜ちゃんが氷のつぶてを撃ってきたのと同時に、私は槍を投げた。槍は氷をすべて壊しながら、真っ直ぐに雪菜ちゃんの方へと向かって行った。
「アイスガード」
槍が当たる瞬間に雪菜ちゃんは、氷の分厚い壁を作って槍を防いでいく。貫通力を抑えたせいか、氷の壁をすべて破壊することが出来ずに爆発が起こる。
「やっぱりあれだけじゃ、意識を刈り取るまでにはいかなかったか。」
爆発の中から出てきたのは、平気そうな雪菜ちゃんが立っていた。
「全力じゃないとは言え、ここまで綺麗に防がれたのは『白帝』さん以来かな。全力じゃないなら、『黒帝』さんでも防げると思うけど。炎帝壱式『炎刀カグツチ』」
私は再び刀を構えて、雪菜ちゃんの動きをじっと待った。
目の前の雪菜ちゃんに集中していて、背後が少し甘くなっていた。背後から耳に銃声が届くと同時に私の肩から熱くなるのを感じた。肩を見てみるとみるみるうちに服の色が白から赤へと変わっていった。私は、急に痛みを感じて、膝をついた。
「アイスランサー」
肩の痛みを抑えながら、刀で飛んでくる槍を弾いていく。弾きながらも、じりじりと槍の数に押されていく。
肩を撃たれなかったら、もう少しやれるんだけどな。負けられないし、仕方がないかな。刀を横に薙ぎ払うと槍を一掃する。
一掃されても変わることなく、氷の槍を飛ばしてくる。
「炎帝参式『炎銃イフリート』」
刀が形状を変えて、銃へと変わる。片手で銃を連射すると次々に飛んでくる槍を壊していく。槍を出すのが、少しずつ遅くなっていく。
槍は壊せるけど、後ろにいるスナイパーまで気にしている余裕を与えてくれないんだね。
私は、威力の溜めた一発で全ての槍を撃ち壊す。銃弾で拘束弾を雪菜ちゃんに撃つと、雪菜ちゃんの体の自由を奪う。雪菜ちゃんはすぐに拘束を解こうと全身に力を入れる。
やっぱり拘束を解こうとする対応力も早いね。けど時間さえ稼げたら、充分。
私は振り向いてスナイパーに銃を向けて、弾を放って意識を刈り取った。
「これで集中して、雪菜ちゃんと戦え……えっ?」
気が付くと氷の槍が腹部に刺さっていた。そして腹部からも血が流れだしていく。私は、足に力が入らずにそのまま倒れてしまう。
「これが油断って事なのかな? 和人、守れなくてごめんね。」
私は、そのまま意識を失った。
戦闘シーンは、イメージできましたか?
分かりにくいなら、三人称にしようかなと思います。
そういったことも感想とかで言ってもらえると……