第四話
ニュースの内容を書きました
今回も楽しんで読んでくれると嬉しいです
「えっと……確か、孤児がフッと消えたらしいのよ。」
そうだ、雪菜は感覚で生きてる人間だった。雪菜は、運動神経が元から良いからか、自分の感じたもので話すことが多い。そのため、他人に説明するのは、そこまで上手くない。いや、むしろ下手と言ってもいい。俺が雪菜にニュースの話を聞いたのが馬鹿だった。
「誠彦、雪菜が話してるニュースの話って知ってるか?」
「もちろん。今朝だけじゃなくて、数日前から有名になってるよ。孤児院で生活していた子が行方不明になったまま、帰ってこないって。それで警察とかも捜してるらしいんだけど、見つからないんだってさ。これで確か……十五名ぐらいが行方不明になってると思うよ。もう少し和人も、ニュースとか世間のことを知った方が良いと思うよ。世間の話だけを言うなら、和人よりも雪菜の方が知ってるんじゃないかな。研究者になるしても、政治や世間で何が起こってるのか、知っておく必要はあると思うよ。」
誠彦に言われると反論のしようがない。誠彦は、俺よりも実験やテストの評価は低くても世間というものに詳しい。
俺は、この高校に入ってから学年主席を落としたことがない。学年主席で卒業すれば、精霊石の研究者だけが集う大学に特別推薦で入ることが出来るのだ。特別推薦で入れば、学費の大部分を免除してくれる。
「確かにそれもそうだな。これからは、少しニュースとかも見てみる。」
「やっぱり学年主席に拘るのって……優さんのため?」
雪菜や誠彦は、俺の両親のことは知ってる。それから優姉が俺の面倒を見てくれることも。雪菜は、少し心配そうに話してくる。
「まぁな。今の生活が裕福とは、言えないし。大学を通うにしても、優姉にあんましお金の面で心配かけたくないからな。」
「そういえば、優さんって美人なのに彼氏が出来たとかって話、一度も聞かないよね?」
「言われてみれば、確かにそうだな。」
優姉は、黒髪のロングヘアーで身長も女子にしては、普通に高い方である。それに顔だちも整っており、男が放置するとは考えられないぐらいの美人だ。それでも優姉から、誰かと付き合い始めたとかそういった話は、今まで一度も聞いたことがない。
俺の事を気にしてるのかもしれない。優姉には、なるべく迷惑をかけたくないと思っているが、こういった点でも迷惑をかけていたのかもしれない。今日、帰ったら優姉に話でも聞いてみよう。
「そういえばニュースの話に戻すけど、雪菜も気を付けた方が良いんじゃないか?」
雪菜は、孤児だ。まだ孤児院で生活をしている。雪菜は、確か小学生の頃から孤児院に入れられたのだ。雪菜の両親は、小学生の頃に雪菜を孤児院に入れて、どこかに行ってしまったのだ。
「大丈夫だよ。私なら足も速いし、殴り合いだってそれなりに強い自信あるよ。だから、心配しなくても大丈夫だよ。」
「強いって言っても女性なんだから、気を付けるにこしたことは無いぞ?」
「和人、どうしたの? 急に私の心配なんかして……悪いものでもつまみ食いでもしたの?」
友達で付き合いが長いから、心配をしてやるとすぐこれだ。だけど、一瞬両親のことが頭の中に浮かぶ。
「悪いものとか食べてねーよ。ただ友達だから、心配してやっただけだ。それに……もう誰かを失うのは、耐えられないからな。」
「ごめん……」
雪菜も俺のことを察したのか、すぐに謝ってくる。
そこで会話終わらせるかのようにチャイムの音が学校中に鳴り響いた。
読んでいただきありがとうございました。
次回もなるべく早く投稿したいとおもいますので、また読んでくれると嬉しいです。
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