第三話
今回は、手の進みがよかったので一日で二話分投稿します。
楽しんで読んでくれると嬉しいです。
中身でも予想外な内容があるので、それで少しでも驚いてくれると嬉しいですw
「よし、和人も出かけたことだし、私も支度をして出かけるかな。生活優先で良いなんて、本当にあの子も変わってるなー。変わってるのは、私もそうなんだけどね。だけど、あの子のおかげでこうして、時間が取れてるから感謝しないとね。」
私は、食器を片付けた。その後自室に戻りスーツに着替えると、仏壇のある和室へと向かった。実の親に線香をあげてから、働きに行くのが日課となっている。
私は、慣れた手つきで線香に火をつけると、香炉に差し込んだ。線香の香りが鼻孔をくすぐってくる。最初は苦手だった線香のにおいも、ほぼ毎日嗅いでいたらそれほど嫌にならなくなった。
「今日の朝にね、良いことが一つあったんだ。和人が私が身元引受人になってくれて嬉しいって言ってくれたんだ。少し恥ずかしかったから、途中で止めちゃったけど最後まで聞きたかったかも……」
私は、つい嬉しくて両親の遺影に語りかけている。もちろん、両親が聞いてくれているかは、分からない。それでも、何となく喜んでいるんじゃないかなと思ってしまう。
「お父さん、お母さん、仕事に行ってきます。」
最後に合掌して黙祷する。いつも同じぐらいの時間をしているはずなのに、今日はなんだか短く感じられた。
「よし、今日も頑張るぞ!」
◇ ◇ ◇
俺は、チャイムの音と同時に教室に入った。
「涼風までギリギリセーフとしよう。」
俺の担任こと波部先生が俺のことを見逃してくれた。本来ならチャイムが鳴るまでに座って無かったら遅刻なのだが、この先生はそういった細かいことは気にしないのか、適当に判断してくる。波部先生は、中年のぐらいの男性だ。おっさんとか言うと軽くキレられるので、タブーの一言である。
全力で自転車を漕いで、階段を駆け上がったからか、息が切れている。
「ほら涼風、一息ついてないで早く自分の席に座れ。」
先生が冷やかしてくると、クラスで笑いが起きた。俺は、恥ずかしさのあまり疲れているのを忘れて、早足で自分の席へと座った。
俺が疲れ切っているのを知ってて言ってくるこの先生は、優しいようで優しくない。だけど、生徒からは人望のある先生だ。緩いところは緩くて、厳しいところは厳しいとメリハリをしっかりとしているところが人気なんだろう。俺も分からなくはない。
「それじゃあ、ホームルームだが……特に何にもないな。今日も一日ちゃんと授業受けろよ。はい、ホームルームは以上だ。」
緩いのがこのホームルームそのものだ。他のクラスよりも異常なほど、ホームルームを終わらせるのが早いのだ。まぁ、早く終わってくれるぶんには、文句はない。
先生が出ていくと、みんなが好き勝手に友達と話し始める。俺は、自転車と階段ダッシュの疲れが取れてないのか、何となく空を眺めていた。
「和人、また注意されてたねー。」
「雪菜は、相変わらずテンション高いな。今日も学校に一番乗りか?」
俺の席の近くまで来て、無駄話をしてくるのは緋色雪菜。俺の友達の1人だ。
雪菜は、ショートヘアで身長は女子にしては平均ぐらいかな。俺が女子の平均身長を知ってたら、雪菜から変態とか言われそうだから、詳しくは知っていない。それに知るつもりも無い。雪菜は、ショートヘアで活発で騒がしい女だ。雪菜とは、中学からの付き合いだから、割と長いほうだと思う。運動神経は、やたらと高い
「もちろんだよ。けどもう少し、言い方どうにかしてよ。相変わらずって、さすがに少しは傷つくよ?」
「俺からの言葉を真に受けるほど、やわな精神はしてないと思ったんだが?」
「まぁまぁ、二人とも落ち着きなよ。和人、おはよう。今日もいつも通り遅刻ぎりぎりだね。」
俺と雪菜の仲裁に入ってくるのが呉誠彦。高身長で顔つきもきれいなため、女子からのモテモテなやつだ。誠彦も中学からの付き合いだ。誠彦は、真面目な好青年という言葉がしっくりくる。
「そういえば和人、今朝のニュース見た?」
「今朝のニュース?」
「和人って時間ぎりぎりまで寝るから、知らないのも無理は無いか。」
少し馬鹿にされたような言い方だが、その通りだから否定できない。しばいてやりたいが、女性相手に手を出すのはさすがに気が引ける。
「それでそのニュースって?」
どうでしたか?
予想外な展開で少しでも驚いてくれると、嬉しいですww
次話は、ニュースの話題からですね。
次話も楽しみにしてくれると嬉しいです。