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ジュエルシード  作者: 白鐘 夕朔
第一章 始まり
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第二話

どうも白鐘夕朔です。

今回は、前回よりも少し長く書きました。(切るところを見失ってしまって)

今回も楽しんで読んでくれると嬉しいです。

 一人の男の携帯が着信を知らせるように、小刻みに振動を繰り返し始める。男は、携帯を取り出し、すぐさま耳元に当てて、相手の話始めるのを待った。

「計画は、順調に進んでいるか?」

 年老いた男性の声が男の耳元に聞こえてくる。男は、緊張のあまりか先ほどまで少し猫背だった背中がピンとまっすぐになる。

「……はい。さきほど、例の子供と接触しました。これで、計画は大いに進められるかと思います。今回の作戦は、上手くいくように念入りに準備をしております。計画を進めていくあたり、今のところでは問題ありません。唯一問題があるとすれば、『炎帝』の動きだけです。その炎帝も身内が捕まえてしまえば、手を出すことは無いと思われます。『白帝』の動きは、掴めております。『黒帝』は、三年前のあの事件より行方不明のままです。ですので、今回の計画に影響はないと思われます。」

 男は、淡々と事務報告をするかのように、話している。

「そうか……お主の働きには、期待しておるぞ。『例の件』も順調に進んでおるぞ。製品化するにはもう少しかかるが、完成すればきっと……。そのためには、貴様の働きにかかっておるのだぞ。もし失敗するのようなことがあったら、分かっておるな?」

「もちろんです。我が企業の発展のために……。」

 それだけ言うと男は、携帯の電話を切った。男は、緊張からの解放されて楽になったからか、ついつい大きくため息を吐いた。手には、緊張のあまりか少し汗を掻いていた。

「企業のためにか……俺たちは、一体どれだけ罪を被ったら良いんだろうな?」

 男は、少しイライラしながらも、その場を後にした。


     ◇     ◇     ◇


 気が付くと朝の日照りが、瞑っている目に当たっている。日照りと小鳥のさえずりが俺の催眠を妨害してくる。

 まだ少し眠たさがあるのか、日照りとさえずりから逃げるかのように布団を頭から被った。これでゆっくりと眠れると思ったが、再び安眠妨害をされてしまう。

「和人、そろそろ起きなさい。起きないと学校に遅刻するわよ!」

「あと五分だけ……」

 どうせ五分だけでは頭が覚醒するわけでも、活動をしようという気も起きない。それでもついつい言ってしまうのだ。優姉も馬鹿じゃないから、俺が五分と言っても活動をしないことを知っているのか、無理やりにでも布団を剝がしてくる。

 眠たさの中で僅かに抵抗してみるものの、すぐに布団を剥がされてしまう。布団を剥がされると布団のぬくさがなくなり、わずかにひんやりとした空気が俺の体に当たる。その温度差に頭がゆっくりと覚醒していく。

「うぅ、今日は寒いな。」

「昨日も同じこと言ってたわよ。そんなことよりもご飯も出来てるから、早く着替えてきなさいよ。」

 優姉はそれだけ言うと、俺の部屋からそそくさと出て行った。

 俺はまだ少し眠たいが、一度背伸びをして目を覚まさせた。

「よし、着替えるとするか。」

 俺は、ハンガーに掛けていた制服に手を伸ばして、着替え始める。

 俺の通っている高校は、精霊石の勉強を専門とした研究者の高校だ。父と母の仇を取りたいとは、思わない。まず父と母を殺した犯人は、既に死んでいるからな。

 研究者は、危険な立場なのも理解している。だがそれ以上に、誰かを守る力が欲しい。研究者というのは、命も狙われる危険もあるため、自分の身を守るために精霊石の複製を分け与えられるのだ。

 俺が制服を着替え終わるとリビングに向かった。

 リビングに着くと優姉がエプロンを着けて、朝ご飯を並べていた。

「優姉、おはよう。それから昨日は、心配かけてごめん。」

「ううん、大丈夫だよ。私は、和人の姉で保護者なんだから、心配するのは当たり前よ。てか大の大人って酷いわね。和人が一人になったときに誰も助けようとしないなんてね。」

 優姉の本名は、如月優。俺の従姉だ。

 俺が中学生のときに父と母を亡くしてから、引き取ってくれたのが当時大学生だった優姉なのだ。たまたま俺が住んでいる家の方が大学に近かったからか、こっちに引っ越してきてくれた。それ以降ずっと保護者として、俺の世話をしてくれている。

「けど俺は、身元引受人が優姉でうれし……」

 俺が最後まで言おうとした瞬間に優姉の声が俺の声と重なって遮ってくる。

「そんなこと言ってないで、時間見なさいよ。もう遅刻ぎりぎりでしょ!」

 俺は、優姉が指さしている時計の方を見ると既に八時を回ろうとしていた。俺の家から高校までは、自転車で三十分ぐらいかかる。電車で行こうとしても、駅まで二十分ぐらいかかるため、自転車で通う方が早い。

 俺は、朝食のパンを口に放り込んで、コーヒーで流し込む。

「行ってきます!」

 流し台に食器を入れると、鞄を持ち上げて、玄関へと走っていく。乱暴に靴を履くと、そのまま玄関の扉を開ける。

「気を付けてね。」

 優姉の聞こえてくる声を背に「うん」と返事をしながら、自転車にまたがって漕ぎ始める。

 春の新しくも少し肌寒い風を受けながら、自転車を全力疾走で漕ぎ始めた。自転車で漕いでると桜の花びらがひらひらと舞っているのが見える。日本では、春になると桜を見るのは、一つの恒例だとも思える。

 俺は、学年が上がるだけで、大して新鮮な気持ちなど思うわけも、ひたすらに自転車をこいでいた。

読んでいただきありがとうございます。

感想やアドバイスなどもお待ちしております。

次話もなるべく早く出せるように頑張っていきたいと思います。

早く戦闘とかに入りたいところですけど、過程を飛ばすと話が分からなくなるので、頑張って書いていきたいと思います

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