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ジュエルシード  作者: 白鐘 夕朔
第一章 始まり
2/12

第一話

ようやく第二話を出すことが出来ました。

と言ってもまだまだ、物語が動き出すわけでもなく、ゆっくりと進めていきたいものですね。

サブタイトルってどんなの書いたら良いのか、まったく思いつきませんでしたw

 俺ー涼風和人すずかぜかずとは、最悪な夢を見ていた。

 両親が目の前で銃殺されて、その死骸を無残にそのまま放置されるそんな夢だ。

 俺は、そんな地獄の夢から目を覚める。何となく窓を見てみると真っ暗だが、月明かりとわずかな星たちが輝いているだけだった。

 俺は、汗で張り付いている寝巻を脱ぎ捨てると服に着替える。

 この夢を見たときは、外で風を当たるのが日課となっていた。

 風に当たって自分の頭を冷やさなければ、後悔と憎悪の塊に押しつぶされてしまいそうになるからだ。

 義理の姉、ゆうを起こさないようにこっそりと外に出ていく。

 向かうところなんて特に決まっていなかった。だが、とりあえず数十分歩くことにしていた。

 俺は、舗装された道を歩いている。それでも百年前がここも戦争で荒れていたなんて、今の状態からだと到底信じられることが出来なくなる。

 適当に歩道橋の上に着くと風向きに合わせて体を向けて、全身に風が当たるようにした。

 春のためか、少し肌寒く感じるが頭を冷やすのにはちょうど良かった。

「そこのお前、どうしてこんな時間に外を出歩いているんだ?」

 俺が歩道橋の上で風に当たっているとそこに一人の男性が現れる。

 男は、俺よりも身長が高くサングラスをかけていかにも厳ついおっさんにしか見えない。しかもそれは、スーツを着てることよりより厳つさを際立たせている。

「すみません。少し夜風に当たっていまして……。」

「良いから早く戻れ。この時間帯は、いろいろと物騒だからな。」

「わかりました。」

 俺は、大人しくおっさんの言われた通り、自分の家に向かって歩き始める。

 もう少し夜風に当たっていたかったけど、仕方ないか。

 

 アパートに戻ると自分の家の表札を確認する。

 最近では、表札にもわずかな金を使われてるのを知ってか盗むものが増えてきている。くだらないとも思うが、それだけ自分の生活がかかっているんだろう。だから俺は、家の中に入る前に確認をすることを習慣づけていた。

 表札には、”涼風(すずかぜ”と書かれている。自分の家の表札を確認するとそのままドアをゆっくりと開ける。

 ドアを開けると姉の優香が玄関の前に立っている。

「こら、和人! こんな時間にどこに行っていたの!」

 姉は、大変ご立腹のようだ。そりゃ、こんな時間に一人で外出なんてしたなんて知ったらほとんどの親は怒るだろう。我が家では、親がいないから姉が親の代わりとか思っているんだろう。

「ごめん、優姉。ちょっと夜風に当たりに行ってて。」

「もしかして、またあの夢を……。」

 優姉には何でも見透かされているのか、俺は黙って頷いた。

「あれは……和人の責任じゃない。だから、気にする必要は、無いんだよ。」

 俺の父と母は、オーバーテクノロジーと言われていた精霊石の研究をしていた。そしてスパイによって殺され、情報を盗まれかけた。

 両親が殺されたのは、俺が中学生の時だ。俺は、その時たまたま研究所に遊びに行っていた。そして……父と母が目の前で殺される瞬間を目撃したのだ。

 今、思い出しただけでも体の震えは止まらなくなってしまう。それにあの時の自分が本当に無力だったことに後悔と憎悪を覚えてしまうのだ。あの時に誰かを守れるだけの力があるなら、俺はきっと後悔をすることも無かったのかもしれない。

「もう夜も遅いんだから、早く寝なさいよ。」

 優姉は、その一言を告げると欠伸をしながら、自室へと戻っていった。

 俺は、「はーい。」と返事をすると自室に戻ってベットに身を投げた。ベットで寝転がってみるものの全く眠気なんて襲ってこない。俺は、ベットから見える天井を見ながら考え事をしてしまう。

 所詮、この世界の本質は昔から何も変わってないのかもしれない。弱肉強食、自然の摂理がそうであるように、人間の世界もそれと対して変わらない。むしろ革命だとか言って、弱者が強者を落とし合うそんな世界に変わってきている。

 こんなことを考えたところで世界が変わるなんてことはない。それを変える力は、今の俺には存在しない。誰かを傷つける力じゃなく、誰かを守れる力が欲しい。

「はぁ、明日も学校だし、寝るとするか。」

 また寝なかったら、優姉に心配をかけるのも嫌だからだ。眠気はそんなになかったが、無理やりにでも目を瞑って意識を闇の中に落とした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

感想やアドバイスを書いてくれると嬉しいです。

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