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第7話 下校
靴を履き替えて昇降口を出た所で、ふとハルに話しかける。
「ハルって同い年だよな、うちのクラスじゃないって事は1組か?」
ハルは歩きながら答える。
「そうだぜ、5年1組32番、藍裏兄一だ」
左胸にちゃんと名札を付けている。
「何その名前?」
「藍裏は今一緒に住んでるルームメイトの名字で、兄一はこっちで付けた現地名だ。お兄ちゃんが一番って意味だぜ。で、それがどういう事かって言うと……」
「もういいよ、その辺で」
「おいおい、もっと聞いてくれよ俺の妹自慢」
「はいはい、また今度聞いてやるから」
そして、なんの変哲も無く家に着いて、ハルに別れを告げて終わる。
今日も平凡な一日だった。