第5話 週末明けの朝
4月14日(月)
週末明けの朝、登校しようと家を出ると、そいつは突然現れる。
「よっ、ミツル!」
何処から現れたかと言うと、足下の僕の影。
そこからひょこっと顔を出しているのは、瓶底眼鏡をしたハルだ。
「何やってんのそんな所で?」
「まあ、そんな事より手貸してくれ」
影から手を出したハルを引っ張り上げる。
「うんしょっと」
「助かったぜ、ありがとなミツル」
よく見ると、ハルはランドセルを背負っていた。
「あれ、お前って学校行ってたっけ?」
「おお、気付いてくれたか。今日から俺もミツルの学校に通う事になったんだ、その記念にランドセル買ったんだぜ」
「でもいいのか、お前には本業があるだろ?」
「それって”あっちの仕事”のことか、それなら部下に押し付けてきたから気にすんな」
「押し付けられたあいつらがかわいそうだな。どう使おうがお前の勝手だけどね」
「まーな、はっはっは。それに俺の本業は、ミツルを守る事だしな」
「そりゃそうだけど、一体何から守るんだよ?」
「悪魔とか?」
「襲われる要素全く無いよ」
「それもそうだな、はっはっは」
「はっはっはっは」
二人揃って笑い合う。