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第32話 ミツルの世界

 ここは、ミツルの頭の中。

 何も無い真っ黒な……いや、やはり明るく見えやすい様に白にしよう。

 全体が白く、天井が高い、そして広過ぎも狭過ぎもしない僕だけの空間。

 ここには僕しか居ない。だが1人では無い。

 ここには僕と、僕の作った自分の別人格が数人いる。

 ハル、ナツキ、チヒロ、トーマの4人も最初はここにいた。

 4人が居なくなり、ハルと現実で会った翌月の初め頃から新しく作り始めて今ではここに3人の別人格が存在する。

 いや、人格ににんは相応しく無いか。

 3つ……いや、それぞれ意識を持っているので物では無いな。

 では何が相応しいだろうか。

 匹、個、台、どれもしっくり来ない。

 考えるのも面倒なのでとりあえず今は人にしておこう。


「おーい、いるか?」

 僕が呼び掛けると、最初に青い髪と目をした少年が現れる。

「何だミツル、俺ならいつでもここにいるぜ?」

 こいつは5月の初めに最初に作った僕の分身で、名前はまだ決まっていないがとりあえずアオと呼んでいる。

 役割は僕の剣で剣士でもある。

 そう、彼らにはそれぞれ異なる役割が存在する。

 ハルは影、ナツキは最強、チヒロは金持ち、トーマは……ただの遊び相手だ。

 これらは外にいる今でも変わらないはすだ。

 そして、ここでやる事と言えば、誰かが戦っている所を見たり、会話したり、纏ってみたり、触ったり、スポーツをしたりもする。


「そうだな。お前達はずっとここにいるし、俺が意識したらいつでも現れる。そうだよな、レイ」

 名前を呼ぶと、次は赤く長い髪と瞳の少年にも女性にも見える者が現れる。

「そうだな。わたし達はお前の中、すなわちここにいつでも存在する」

 こいつはレイ。中性的な見た目をしている理由はどちらか決まっていないから。

 最初は男の様な女性をイメージしたが、月日が経つにつれて度々変化し、今ではこの様などっちとも取れる姿で現れる事が多い。

 因みにこいつは男も女も両方好きだが性別を偽る者は嫌いらしい。

 同族嫌悪とかでは無く、本人はあくまでどちらでも無いのであって偽ってはいないのだとか。

「ミツル、良い尻してるな」

 レイは僕の肩にてを置くと、そのまま流れる様に身体を伝い尻に到達する。

「ひゃいっ⁉︎ 止めんか変態!」

「変態とは心外だな。ただのスキンシップだろ、ほら、そいつの尻でもおれの尻でも触って良いからさ?」

 レイはアオを指す。

「俺を巻き込むんじゃ無えよ⁉︎」

「お前らの身体は俺の物だ。だからどう使おうが俺の勝手だ。だが俺の身体は俺のだ、お前らの物じゃ無え。好き勝手に触るな」

「そんな固い事言うなよ」

「——じゃあな!」

「っておい——⁉︎」

 1人会ってないが、まあいい。

 満足した。

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