第28話 バーベキューの続き
「うーん、美味し」
肉の次は野菜が食べたくなったので、タマネギ、ピーマン、ナス、キャベツなどを焼肉のタレに付けて食べている。
もちろん、焼いたやつだ。
「えっと次は、またお肉食べようかな」
しかしテーブルの上のステンレスプレートにはもう肉は無い。
「無いならいいや」
僕は自分の紙コップに残ったジュースを飲み干す。
「ふー。ごちそうさま。さて、次は何しようか。ナツキはまだ戻らないし、ハルは……」
隣を見ると、彼は居なかった。
「どこ行ったんだ?」
「俺ならここにいるぜ?」
後ろから声がしたので振り返る。
「——わぁ、びっくりした。……どこ行ってたんだよ?」
「あっちでナンパしてたぜ」
「そりゃあ、大変だったな」
「いや、難破じゃ無えよ?」
「そうか。そりゃあ変態だったな」
「……」
ハルは黙り込んでしまう。
「すまん、俺が悪かった」
「——ああ、違うんだ。しょうもないとかクソつまん無えとかじゃ無くて、何言ってんのかわかんなかっただけなんだ」
「……そうなの?」
「ただな、お前を傷付けない様にわかりやすく言うと、……そういう事だ」
自分との会話だと、これだけでも意思疎通が出来る。
「……俺が面白いと思って言っている事でも聞いてる奴からしたら面白く無いって事?」
「つうよりも、例えばミツルが今言ったことを俺が言ったらどう思う?」
「……想像したら思ったより面白く無えな。むしろクソつまんねーや。お前それなのに滅茶苦茶俺に気使ったんだな」
「まあな。それが俺らの、存在意義みたいなもんだからな。いや待てよ、それだと俺はミツルに気を使う為だけにいるみたいじゃ無えか?」
「え、何か間違ってる?」
「いいや、俺はそんな小さな男じゃ無い。俺は全ての女の子とお友達になる為に存在するビッグな男だ」
「そっちの方が小さく無えか? ——おっと、ついいつもの様につまんない事言っちまったよ。気をつけねえとな」
「つう訳でミツル、これから俺はついでにミツルの事を気遣ってやる。わかったな?」
「ああわかった。……今までと同じ気がするけど。まあ、相変わらずのようで安心したよ。これからも頼んだよ」




