表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/37

第25話 ある朝

 1人目、2人目と来たら次は3人目の話になるだろう。

 それにはまず、過去に遡る必要がある。

 僕としても本当は順番に来て欲しかったが、中々思い通りにいかないものだ。

 あの時も、その次も。


 4月16日(水)

 その日の朝、いつもの様に一人で登校する。

「——おはようございまーす」

 門をくぐると校長先生をはじめ、数人の生徒が“あいさつ運動”と書かれた旗の横に立っており、前を通る生徒一人一人に挨拶をする。

「おはようございます」

 俺はいつもの様に前を通りあいさつを返す。

「今日も無事、間に合ったな」

 歩きながら見上げると、校舎の真ん中あたりに付いてる時計の針は8時20分を指しているのが見える。

 いつも家を8時頃出ていつもこの時間に到着している。

「——おーい、はたのー!」

「ん?」

 後ろから声を掛けられ振り返ると、こちらに手を振る少年が一人。

「おおー、おはよー!」

 こちらも彼に手を振り返す。

 すると彼はこちらに駆け寄って来る。

「珍しいな、お前がこの時間に来るなんて。いつもは俺が教室に入った後に来てるくせに?」

「そうか? お前がおせーんじゃねえとか?」

 彼は学校の時計を見る。

「うわ⁉︎ マジでいつもより早いやんけ。ラッキー」

「良かったな」

「——うっせー、黙れ!」

 そして頭を叩かれる。

「いってー。何すんだよ?」

 僕の訴えに彼は首を振りながら答える

「全然痛くない」

「そりゃ、お前は痛く無いだろうけどな……」

「——んな事より、さっさと入ろうぜ?」

 彼はそう言うと校舎に入る。

「……それもそうだな」

 僕は叩かれて痛い頭を摩りながら彼の後を追う。

 1年の頃からの親友との何気ないやり取りから僕の1日は始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ