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第19話 嵐の前の静けさ
少し時間を遡り、クロウとジェシカとミツルの三人がいる荒れ果てた浜辺。
水着に着替えたミツルは砂の上に座り込んでぼうっと海を眺めている。
「はあー。誰もいない海、意外とつまんねえな」
足元のサラサラとした砂の感触に触れ、無意識に足を覆ったり、手で揉んだりら突っ込んだりしている。
「ふぅー」
しばらくすると水に浸かりたくなり、手足の砂を払って海水で洗い流す。
「はぁー」
ほんのりと海水の塩の匂いが脳に心地良い刺激を与えてくれている、気がする。
「よいしょっと」
すっと立ち上がり、手を払って水着で拭き、頭のゴーグルを目に装着する。
「よし」
そしてミツルは海に向かって歩き出す。




