第1話 起 天使との出会い
2008年4月11日(金)
朝の8時、僕は教室のベランダで座って寛いでいた。
「はぁ……いい天気だ」
5年生になって最初の金曜日、クラス替えをして先生とクラスメイトは去年と違うが想った以上に早く馴染めそうだ。
なぜなら低学年の頃同じクラスで仲の良かった友達とまた一緒になり、担任の先生も優しくて面白いとても親しみやすい人だったからだ。
「それにしても、学校がこんなに楽しい所だなんて知らなかったな」
今日も友達や先生に会えるのを楽しみに思っていると、突然空が不思議な光を放ち、そこから何かが猛スピードで僕の真横に撃ち落とされる。
「な、何⁉︎」
最初は小鳥でも落ちたかと思ったが、それは想像もしないものだった。
「ひと?」
身長は僕よりも数㎝高く雪の様な白い肌に綺麗で真っ直ぐな肩にかからない長さをしたピンク色の髪で、服装は修道士が着るような真っ白なローブで被ってはいないがフード付いている。
袖からは手が少しだけ隠れており裾は膝の少し下までありそこから下は裸足で顔は男の子にも女の子にも見える僕と同じくらいの歳の子で背中から二枚の白い翼が生えている。
一言で表すなら、不気味だ。
「って、おい! 大丈夫か⁉︎」
少し眺めていたがよく考えたらそれどころでは無い事に気がつく。
「と、とにかく誰か呼ぼう——」
咄嗟に窓を開けて教室に入った瞬間、ある違和感を覚える。
「え……?」
誰もいないのだ。
登校して来た時には既に数人いたなのに、どう言う事だろう。
「もしかして今日、なんかあったのかな、俺置いてかれた⁉︎」
焦って時計を見る、8時5分、それを確認して急いで廊下に出ようとした時、事件が起こる。
「きゃぁぁぁぁー‼︎」
突然の叫び声に僕は振り返る。
「何、ベランダ⁉︎」
声のした方へと駈け出す。