第17話 浜辺にカムバック
「えーっと、確かこの辺だったよな?」
僕は今、さっきまでシートを敷いていた場所を探している。
ビーチに戻ってみると、数組はいたであろう海水浴客が皆居なくなっており、そこはまるで嵐の去った後の様な有様になっている。
ちなみにナツキには僕の荷物を取って来る様に伝え駐車場に向かった。
どうやらこうなる前にハルがここから移動させたらしい。
「ミツル様、こちらです」
すると、ジェシカに声を掛けられ、僕は安心する。
「よかったー。危うくこの歳にもなって迷子になる所だったよ。本当に助かったー……はっ⁉︎」
水着姿の彼女に驚き直様後ろを向く。
「大丈夫ですか?」
「あー、うん。はい、大丈夫。ちょっとびっくりしただけですので」
年上の外国人の女性の水着姿は小5の僕には刺激が強い様だ。
深呼吸して数秒ですぐ落ち着く。
「ところで、もう一人は?」
「それでしたら、あちらに」
ジェシカの向いた先の、海の家の前の砂上に仰向けで伸びている。
「あ、いたいた。おーい」
僕が声を掛けると、クロウは上半身を起こしてこちらに手を振る。
「オー、ミツル様ー、オカエナサイマセー」
ジェシカと違い片言の日本語を話すクロウもこちらに手を振る。
「うーん、ただいまー」