第13話 ハルとナツキ、2人のミツル
「……と言う訳で、ハルもナツキも俺であって、ハルは1、ナツキは2人目なんだ。でも2人は俺であっても、俺はお前らじゃ無いんだ」
僕は状況を把握していないハルに適当な説明をする。
「それで納得出来るなんて便利だな、俺たち」
「まあね。お前らは俺に都合よく出来てるからな」
通常ならばもっと説明しなけれいけないのだろうけど、これだけで足りるのだからとても便利だ。
「ねえねえ、わかんない。どういうこと?」
この様に、部外者には理解出来ないので、この話は他人にはしない事にしている。
ただの知人と言っておけば、あまり詮索される事も無いだろう。
あっても些細な事だ。
「何だ目が覚めたのか。じゃあハル、後は宜しく」
先程まで気絶していたピンク髪で白翼の天使をハルに任せる。
「あいよー、いってらー」
「まってよミツルー、なんかつめたくない?」
「……」
「……」
この時2人は、同じ事を考えていた。
なぜこの天使はミツルを知っているのか。
「えっと、お前ナツキって言ったか。俺の指図は気に食わねえかも知れないが、ミツルの所にいってやれ」
「……」
ナツキは言われるまでも無く、ミツルの元へと向かう。
「へぇ、物分かりいいんだな。さて、それじゃあ始めるか」