殺人鬼遭遇
その日の夜までに紅魔館に着くことは出来なかった。
交代で見張って襲撃に備えたが、殺人鬼は来なかったのである。
だがそれは、別の所で誰かが襲われている可能性があると言うことだ……
「リク!また紙が落ちてるわ!」
紙……
まさか、死者が!?
紙を拾い、読む。
『殺人鬼によって、霊烏路 空が殺害された。合計死者1』
嘘だ……
まだ一日目なのにもう死者が現れただと!?
空はかなり強かったはずだ……
「ねえ、リク!嘘よね?お空が死んだなんて、あり得ないわ!」
そうだ、嘘に決まっている……
「だが、こうしてあり得ない事だが、死者が出たんだ、急いで紅魔館へ行くぞ!」
「ええ、分かったわ」
暫くすると、紅魔館が見えてきた。
「ねえ霊夢、やっと着いたよ」
「そうね、このまま何も無ければいいのだけど」
「クッ!!」
「どうしたの!?」
いきなりの痛み。
どうやら後ろからの攻撃か……
振り向くと、フードを被った人がいた。
男か女かは分からない。
「お前は誰だ!」
「教えるのも無意味、何故なら此処でお前は死ぬからだ」
機械音声のような掴み所の無い声。
だが、明らかに殺意を持っている。
殺人鬼なのは明らかだ。
「霊夢、行くぞ!!」
剣を構え、突撃する。
だが、剣を振っても受け流される。
正直、こいつは強い。
今、この二人だけで勝つ事は困難。
だが、逃げれば生き残れる!
「霊夢、逃げるぞ!!」
「ええ、分かったわ」
そのまま走り出す。
「逃がすかあ!!」
殺人鬼はやはり追いかけてくる。
逃げる先は、勿論紅魔館。
後ろからは衝撃波の嵐。
避けながらは流石にキツイ……
「クッ!!」
やばい、転んだ……!
「霊夢逃げろ!!」
「そんな!」
「いいから逃げろ!!
「分かったわ!」
霊夢は逃がせた……
「一人逃がしたか……まあいい、お前外の奴みてえだな、お前を殺せばかなりの昇格が狙えグフッ!!」
いきなり殺人鬼が吹っ飛ぶ。
「大丈夫?」
そこに現れたのは、咲夜だった。