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雨音色  作者:
1/17

プロローグ







――時は大正の中ごろ。



時には古きものに捕われ、また時には新たなものを追い求める、



混沌とした時代の話である――。


























「・・・何で・・・?何でここに・・・」



聞こえるのは、降り続く雨音と、互いの声。



傘もささずに、二人はそこにいた。



「・・・どうしてかな・・・。自分でもよく、分からない。


ただ、今行かなければ、駄目だと思ったんだ」



暗闇の中、うっすらと見えるのは互いの顔。



いつもなら道を照らしてくれる月さえも、黒い雲で、その姿を隠す。



「そして、これだけは伝えたかった」



一歩、彼が彼女へと歩み寄った。



「・・・?」



暫く、彼らの間に沈黙が漂う。



雨は止む事を知らないかのように、佇む二人に、激しく打ちつける。



「・・・心が泣くんだ。君に会えないと」



雨が一層強くなっていく。



「・・・私も・・・」



彼女も、彼の方へと歩み寄っていく。



長い腕が、濡れた体を包み込んだ。



どれぐらい、この暖かさを望んでいたのか。



雨に混じって、その瞳から涙がこぼれる。



でも、それは今までのそれとは違って、



悲しいものではなく。



「ずっと一緒にいよう」



かすれた小さな声が、彼女の耳元にささやかれた。



「・・・はい」



暖かい雨の音色が、二人の体を包んでいった。



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