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エピローグ(第二部完)

 結局取り逃がした俺達は、悔しさを覚えながら帰還した。

 そしてあの謎の少女のような“精霊”だが、


「とりあえず今はもう大丈夫だから……どうすればいいんだ?」


 俺はあの人形のような少女をどうしようかと迷っているとそこでその少女のような“精霊”は、


ご主人様(マスター)、終了、ですか?」

「終了……そうだな、終了かな」

「了解しました。帰還します」


 そう俺が告げると少女の“精霊”はそう答えて、くるりと一回転し、破裂するように光の粒になり消える。

 その光の粒もまた、何故か俺の中に戻ってくる。

 そして特に俺に変化はない。


「……あれは何だったんだ?」

「さあ、女神様に聞いてみればいいんじゃない?」

「! 驚いた、鈴か」

「何でそんなに驚くかな。それよりも、タイキも手伝わない? あれ」


 そう言って鈴の指差す先では、ミルル達が先ほどの装置の破片などを集めている。

 ちなみにサーシャは倒した魔物の集合体のようなものが落した魔石などを嬉々として拾っていた。

 この微妙に駄目な感じのするサーシャは放っておくとして、俺もまた色々と回収していく。

 そして、


「一旦、リズの家に戻ろうと思う。今回の話は、あの人達も通しておいたほうが良さそうだ。場合によっては君達にも証言して欲しい」

「分かった」

 

 クロードに言われて俺は頷いた。

 そんなこんなで、現地解散となり、色々ありすぎた一日が終わりかける。

 戻ってきてシャワーを浴びて、疲れたからゆっくり寝ようと思っていた所で、スマホの中から呼んでもいないのに女神様が現れる。


「どうだった、タイキ」

「全部見ていたんじゃないんですか?」

「それはそうね。うっふふ~」


 楽しそうな女神様だが、楽しんでいる場合じゃないんじゃないだろうかと俺は思う。

 そこでふと疑問がわいたので問いかける。


「それで、あの少女のような“精霊”はなんですか?」

「ん? あれはタイキが作った精霊、それもタイキの命じるままに動く、ね。きゃ~、えろ~い」

「……俺の命じるままに戦闘をするわけですか。……イザという時は便利かな」


 そのうちどう使えばいいのかを試してみようかと俺が思っていると、そこで女神様が、


「でもあまり使いすぎると、サーシャ姫の様な幽霊になるわよ?」


 とんでもないことを言い出した女神様に俺は顔を蒼白にして、


「ゆ、幽霊は嫌です!」

「あら、相変わらずタイキは幽霊が怖いのね。面白いわ~」

「面白いわ、じゃなくて、ええ……生命力? を使うと?」

「そんなような感じかしら。まあ何事も程々に使うには問題無いと思うわよ?」

「そんな適当な……」


 呻く俺だが、そんな俺に女神様は、


「なんとかなると思って頑張ってね」

「そんな無茶な……え?」


 そこでスマホから出てきた女神様が俺の額にキスをする。

 柔らかい唇が額に触れてすぐに離れて、俺は何も言えずに口をパクパクする。

 そんな俺に女神様は、


「貴方は私のお気に入りだもの。だから大丈夫よ。……お休み、タイキ」


 そう告げてスマホの中に入り込んでしまう。

 そして俺は今のそれに頭がうまく回らなくて、


「え……え?」

 

 暫く呆然としながら、けれどその後、いつもどおり女神様に弄ばれてしまったと心の中で俺は泣いたのだった。






 そこは暗い部屋。

 中には仮面をかぶった人間が二人いる。

 

「今回の損失は大きい」

「……申し訳ありません、ハダル様」


 まさか彼らにあれほどの力があるとは思わなかったのだ。

 けれどどれだけ言い訳しても、現状は変わらない。

 そこで足音がひとつ。


 現れたのは仮面の女のようだった。

 紫色の短い髪の女性。

 彼女は楽しそうに笑いながら、


「カノープス、失敗したのですって?」

「アケルナル、どうしてここに?」

「仕事が一段落したのですわ。でも……全く情けないわ。次は私が行きますわ。よろしいでしょう?」


 そう告げる余裕のある声に、ハダルは黙って短い時間考え、


「良いだろう、次は、お前に任せる」


 それに、ありがとうございますとアケルナルは答えたのだった。


区切りがいいので、これから誤字脱字修正に入ります。

そして一枚本気でイラストを描いて飾ってみようかなと。

いいんや……自家発電するもん。

とりあえずミルルを一枚描けたら描いてみます。

次の第三部はそれが終わり次第、再開します。

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