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ゲームのような異世界で、チートライフを楽しみたい!  作者: ラズベリーパイ@天安門事件
第2章

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違う魔法を使ったと?

 無事、偽怪盗を撃退した俺達だが、


「今、さらなる強化がと言っていなかったか?」


 呟く俺に、ミルル達は聞こえなかったという。

 俺の聞き間違えだといいのだが、この前撃退した時よりも段々と防御が強化されている気がする。

 けれどそれは当然かもしれない。


「……ひょっとして撃退されたりする度に、防御なり何なりを上げて準備しているのか?」

「! 思い当たる節が私にもある。追いかけまわしているが、最近では見失う事が多い」


 怪盗バンバラヤン――もとい、クロードがそう叫ぶ。

 つまりあの怪盗は、敵の戦力を推し量りながら、増強しているらしい。

 早めに倒すか捕まえるかしないと危険だなと俺は思いつつ、そういえば、


「クロード、貴方には魔石をよこせと言ってこなかったのですか?」

「? そういえばそうだな。やはり遭遇した時集団で動いたからか」

「規則正しく、ですか?」

「それはまあ……一応我々の中には基本騎士団で活躍しているものも多数いるし、私自身も指揮をしたりなどもしていたからな」

「……それを気取られた、と?」


 それにクロードは黙る。

 集団の動きから、背後にある組織や力を感じ取ったので、対抗するよりはと考えたのかもしれない。

 だからクロード達からは逃げまわっていたのか。

 そこでクロードが考えこむように眉を寄せてから、


「確かに攻撃してこなかったが、ただ単に多勢に無勢で逃げているのかと思っていたが、確かにあれだけの力を持つ者が、ただ逃げるだけにとどまるのは奇妙だな。むしろ我々に実力の端を少しでも見せないようにしているようだ」

「そういえば魔法には国によって特徴などがあるのですか?」

「いや、無い。無いはずだ。……だがそういえば彼の魔法は少し変わっていたような気がするな」

「変わっていた?」

「毎回、石を握って何かをしているようだった。その時何か……“精霊”のように意思を持って魔法が動いたような気がする」

「“精霊使い”というわけですか?」

「……ただ違和感がある。あまりにも無機質な、多分お前達が知っている“魔法の精霊ステッキ”の精霊ミィのような感情が何もない。自動で動く……いわば兵器のような感じだった」


 そう告げるクロードに、俺は、自分の世界の近代兵器をイメージする。

 さながらその精霊は無人で攻撃するロボットか何かか。

 そう考えると一気にゾッとする。

 

 自動で動く無機質なと言うと、幾つかの命令を遂行するだけの、爆弾のようなものになるだろうか。

 自立した意志があり術者に従う、強い力の精霊も危険だがそれも危険な印象を受ける。

 威力があり相手を狙う。


 そういえばあの遺跡での攻撃も、あの冒険者達を上手く的確に狙ったようにも思える。

 攻撃されたなら人は避けるだろうが、それを追ってくる強力な魔法。

 俺達と遭遇した時は突然の事だったので気付かなかった。


 それを考えながら、俺の現在の力も考えれば魔法の中で視覚の範囲内の敵を狙って攻撃する魔法も使えるので、そう考えてみると俺は彼のように危険な存在なのかと気づく。

 本気でこの力はあまり気軽に使えないなと思いながらも、今の話からすると女神様に使わさせてもらっている、ゲーム内で使える魔法一覧はこの世界ではどんな扱いなのだろうと思う。

 それこそ伝説の魔法使いが使った伝説の魔法……。

 

「本当に気軽に使えないな、魔法」

「? どういう意味だ」

「いえ、女神様に色々手軽に魔法を使えるようにさせてもらっているのですが、危険だなと」

「ほうほう、どんな魔法が使えるのかね」

「……視覚の範囲内の的に自動で攻撃する魔法です」

「? 相手を狙って打てば、関係ないのでは? わざわざ自動で狙いを定める理由はない」

「けれどあの偽怪盗は、自動で動くようにしていたのでしょう?」

「確かに便利だが、そのための魔法構築は、過程がとても面倒だったはずだ。……待て」


 そこで俺はクロードに睨まれた。

 ぎくりとしていると、


「何故そんなに簡単に自動設定できる」

「えっと、女神様の加護で、そういったことに」

「……その自動化の研究も今なされているが、結局の所道具を作ったほうが楽だという結論に達してしまい、あまり進んでいない」

「でも彼らはそういった力を使ってきているの、と」


 あの偽怪盗は、この世界でもまだ研究中の力を使っているらしい。

 それに今の話を聞いていると、


「“精霊使い”のちからを普通の魔法使いでも似たようなことが出来ないのかという研究はなされていないのですか?」

「“精霊使い”は数が少ないからあまりデータが取れない。そしてここの資質、才能に依存しすぎていてあまり手出しができないというのが現状だ」


 そんなことを話していると、そこで新しい人物が一人。

 先ほどのリズさんの夫だ。


「なかなか興味深い話を聞かせてもらったよ」

「あ、えーと……」

「リドルだ。しかし、異世界から来た者で、女神様のかごがある少年だったとは……」

「あ、え、うー」

「いやいや、驚いただけだ。そういえばあの“アリアドネの糸”は助かった。入口まで戻れたので、ここまであいつを追い詰められたからな。処理できなかったのは残念だったがね」

「処理、ですか?」

「私の仕事は、彼ら……異界の侵略者の捕縛だ」


 リドルはそう告げたのだった。






 異界からの侵略者と聞いて俺は、そうなんだと思った。

 そこで俺は気づく。


「お、俺は本当に女神様に頼まれて……」

「ふむ、だろうな、気配が違うから、来たとしても別世界のものだろう」

「そ、そうですか……良かった」

「その異世界の侵略者共を秘密裏に捕まえるのが現在の仕事だ。まだ半信半疑のものも多いし、念のためといった所なのでそれほど皆知らないがね」

「そうなのですか……異世界だから違う魔法を使ったと?」

「かも知れない。それに最近妙な魔物が大量にこの世界に現れているのも、彼らが原因ではないかと私は思うがね」


 その話を聞きながら、俺はふと思う。

 異世界から来たものならば、


「偽物は、クロードと同じ怪盗をどうして演じようとしたのか。確かに魔石探しには都合がいいけれど、どうしてこの世界の情報を的確に得ているんだ?」


 そう俺は、不安を覚えながら呟いたのだった。


明日から、2日に一回の更新にしようかと。代わりに新作のちょっと変わったvrmmo、異世界トリップものを投稿しようかと、現在一話目を投稿中です。以前投稿した物を大幅に設定変更、加筆しました。よろしくお願いいたします。

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