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幽霊屋敷内部で遭遇

 まずは一番手前の部屋を見ていく事に。

 部屋のドアは、木彫りで顔が二つある兎の様な物が彫られている。

 そんなもともとは値段が高そうな古びたドアの、金属製のドアノブに触れる。


 すでに錆びついているせいか緑色のさびが見てとれる。

 軽くひくだけで低い音を立てて扉が開く。

 どうやら鍵はかかっていないようだ。


 そう思って警戒心薄く俺はそのドアを開くと、


「ぐごがぁあああああ」

「うわぁああああああ」


 突然白い幽霊、姿は中年男性な幽霊に俺は脅かされた。

 しかも俺が驚いたのに気づいて、ニヤッと笑って霧散した。

 ドアを開くと同時にそれまでそんな兆候がなかった部屋の中からお化けが現れた脅かされた俺が凍りついていると、俺の後ろにいたミルルが俺に、


「ああ、あれがこの家の相続を争っている方の一人ですね」

「……なんでその人のお化けが?」

「もともと驚かせたり悪戯好きな方達だったらしく、しかもそのご先祖の方や奥方達もそういった面白い事が大好きで……ここに入って何かを探したりすると、その時の記録が残っていて、その幽霊が出てきて脅かしてくるそうです」

「“幽霊のしずく”ってとれるのか? そんなものばっかりで」

「時々、お化けの本を読んで怖がって泣いている女の子の幽霊も出てくるそうです」

「……幽霊が幽霊の本を読んで泣いているのか」

「生前の記憶ですから」


 といった話を聞きながら恐る恐る中に入っていく。

 とりあえず、ただ部屋の中に入って行くだけでは何も起こらないらしい。

 がらんとした部屋には木製の本棚とランランした新聞の様なもの、机と椅子、壺である。


 少なくとも壺は小さく、人が入れそうにない。

 しかも蓋をされている。

 後は分かるな?


「よし、戻るか。って、鈴!」

「いや、いかにも何か出てきそうだし、折角なので」

「やめろおおおおお」


 だが俺がそう叫ぶのを無視して鈴は開けてしまう。

 案の定、現れた白い男だがやけに筋肉質で強そうである。

 幽霊と言っても物によってはサーシャも触れられるわけでこちらへの攻撃の牛をこの幽霊も持っていたなら、そう俺は思って警戒して慌てて魔法を使おうとすると、


「一斉砲撃!」


 鈴が何時の間にやら大量のマスケット銃を空間に固定して、一斉にうちこむ。

 派手な爆音と選考が周囲に広がり、その白くて大きいお化けは悲鳴を上げて消えていく。

 どうやら倒されたようだ。


「うん、圧倒的火力でせん滅っと」

「……鈴は相変わらず豪快だな」

「やられる前にやるのは、攻撃の基本だと思うの」

「そうだな……というかあの幽霊の攻撃ってどんな攻撃をしてくるつもりだったんだろう」

「さあ?」


 鈴が首をかしげた。

 そして俺は、技すらも見せる間もなく倒されてしまった幽霊に、ほんの少し同情してしまったのだった。










 こうして俺達は更に進んで行く。

 次の部屋では戸棚から幽霊が出て、その次の部屋は部屋を開けると出てきて、そのほかにはベッドから出て来たり本の中から出てきたり、他にも色々あった。

 途中攻撃してきたお化けも板が一匹は俺が倒し、もう一匹はミルルが弓で始末した。


 危険な相手は特になく漂う幽霊にも俺はそろそろ慣れてきた。


「この調子で倒していこう」

「タイキ、幽霊ももう平気そうだね」

「……そうだな、倒せるしな」


 といった会話を鈴としながら俺は今度は階段を上に登っていく。

 三階は一通り見たので、次の階に向かっているのだ。

 途中、下の方で爆音と共に振動を感じたが、ミルルが、


「エイネもいますし、シルフだって……タイキの作った道具を持っているサーシャと、精霊のミィがいます。……先ほどの鈴の様に瞬殺するでしょう」

「そうだよな。所でミルル、前から思っていた事を聞いてもいいだろうか」

「何でしょうか?」


 にこりと微笑むミルルを見ながら、俺は、これを聞くのはどうなんだろうと思っていつつ、


「その……前からミルルはサーシャをそのライバル視しているように見えるんだけれど、どうしてだ?」

「そ、それは……」


 そう聞きにくい様な疑問を聞いてしまった俺だがそこで、ミルルが押し黙る。

 よく見ると顔が真っ赤である。

 顔が赤くなる様な事を俺は聞いてしまったのだろうかと俺が思っているとそこで、小さくミルルが震えてから、


「だ、だって……タ、タイキにペットみたいに可愛がられたいなんて、そんな……」

「……いや、魔力目当てで付いてきただけだから」

「で、でもペットみたいになりたいなんて!」


 俺はちょっとだけ何か言葉に齟齬があるような気がした。

 普通女の子がペットになりたいなんて言ってこないだろう。

 ましてやミルルはそんな感じではない。


 二次元のラノベや漫画ではありそうな設定ではあるが、現実にそれはないと思う。

 むしろ現実にいたら俺は嫌だ。

 だから俺は真剣に考えて、ある結論に達した。


「まさか……猫の頭を撫ぜるかのように、頭を撫ぜたりそうしたいとか?」

「!? どうして分かったのですか!? って、いえ、そういうわけではなく、別に私は……あ……」


 とりあえず、ミルルの頭を撫でてみた。

 これがナデポというものなのだろうかと思いつつ、ミルルが幸せそうなのでまあいいやと俺は思った。

 そうやってしばらくしているとそこで鈴が、


「折角だから、私も撫でてよ」

「鈴……別に良いけれどさ」


 この幼馴染はどうしたのだろうと思う。

 すでに自分が女であることを捨てているかのような、活発な女子という生物でもあるけれど、女の子(二次元)の様な感覚があるのだろうか?

 よく分からないが、望んでいるようにしておこう、そう思って撫ぜると鈴は嬉しそうだ。


 両手で女の子二人を撫ぜつつ俺は、これはお化け屋敷でやる事なのだろうかという疑問を覚えつつ、それをくり返しているとそこでミルルが、


「あ、あの、そろそろいいです」

「あ、ああ……鈴もいいか?」

「いいよ~」


 というわけでようやく俺は二人を撫ぜるのを止める。

 するとミルルが何となく恥ずかしそうにしている。

 顔の赤いミルルに俺はどう声をかけようか迷っているとそこで鈴が、


「元気出たし次に行こう!」

「あれで元気が出たのか?」

「ほめると伸びる子なんです、私!」


 鈴がそんな事を言うので、とりあえず俺は適当にそうだなと答えたのだった。








 四階も、初めの二つの部屋は先ほどの部屋と同じようにお化けが脅かして来て、後に入った部屋では、幽霊と戦う羽目になった。

 そしてその次の部屋に入ろうとドアノブを引くけれどそこで、


「あれ、鍵がかかっているな」

「変ですね。確かどの部屋も鍵がかかっていないようですが」

「いや、鍵がかかっているって、ほら」


 俺がそう言って引っ張ると、ぱきっと金属が割れる音がした。

 よく見るとドアの金具が割れている。

 おかげでこの部屋に入り込めそうではあるのだけれど、


「壊してしまったけれどどうしようか。……もともと壊れていたという事で。錆びていたし、壊れかけていたんだ」

「そういう事にしましょう」

「うんうん、人間と気に保身は大切だよね」

「分かってくれて嬉しいよ」


 修理費請求という言葉がちらついた俺は、そう言って、初めから壊れていた事にして中を覗くと……そこには一人の人物が床に倒れていた。

 それは先ほどこの屋敷に入っていった冒険者だった。

 そして、そこには一人の女性が倒れている。


 先ほどのエイネの歌声で、眠ってしまったのだろう。

 俺はその彼女に近づいてから顔を確認して、


「やっぱりこの前の赤い急を落とした彼女だ」


 眠っているよう……というよりは本当に眠っている彼女が、この部屋にいたのだった。


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