華(二百文字小説)
華がちる。
わたしを、つれていっては、呉れないか
御前が其う 望むなら
かなしくて、前がみえない。
うれしくて、尽きて仕舞いそう。
とけて、仕舞いそう
此の世の華が果てようとも
御前は 我が 咲かせた 華
此の世に在らざる悦びを
此の世のはての うたかたを
知った華
我 の 華
花は なにが終れば 華でなくなる。
華は どこへ ゆく。
悦びの 華
咲かすは 我
散らすも 我
ゆるりと、手がのびる。
ゆっくりと、わらう。
目を、とじれば。
ちったのは、わたしか 華か。