表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

四畳半サバイバル

作者: 空腹原夢路
掲載日:2025/12/19

目が覚めると、扉が開かなくなっていた。


最初は寝ぼけているのだと思った。

取っ手を回す。引く。押す。

びくりとも動かない。


窓も同じだった。

鍵はかかっていないのに、押しても引いても外れない。


スマホを確認する。

圏外。

何度も機内モードを切り替え、再起動しても変わらない。


なぜ?

いつから?


冷蔵庫を開ける。

賞味期限切れの牛乳と、納豆が一パック。

これで全部だった。


これはまずい。

本格的にまずい。


一日目は混乱して終わった。

二日目は不安で眠れなかった。


三日目、空腹に耐えかね、私は畳を見つめていた。


「畳って、イグサだよな。草だ。草なら……」


爪で畳をめくり、食べてみる。

硬い。不味い。口の中に広がる青臭さに、涙が出た。


「無理だ!人間の食い物じゃない!」


四日目、壁紙を舐めた。

何の味もしない。

情けなくて、そのまま泣いた。


七日目、もう動けなかった。

床に倒れ込み、天井を見つめる。


ここで死ぬのか。

こんな、四畳半で。


その時、ガチャリと音がした。


扉が、開いた。


「助かった……!」


這うようにして外に出る。

しかし、そこにあったのは見たこともない景色だった。


紫色の空。

三つの月。

奇妙な形の植物が、風に揺れている。


周囲を見ると、同じように部屋がいくつも並んでいた。

扉から、人々が次々と這い出してくる。

全員、私と同じように憔悴しきった顔だ。


突然、空から声が響いた。


『地球の皆さん、お疲れ様でした』


地球?


『残念ながら、地球は消滅しました』


え?


『ここは新天地、プラネットXです。皆さんの生存確認が取れましたので、これより移住生活を開始していただきます』


呆然とする人々。

私も、膝から崩れ落ちた。


『それでは、サバイバル生活、頑張ってください』


声が消える。


見渡す限りの荒野。

未知の星。

逃げ場はない。


ここからが、本当のサバイバルだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ