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サルユメサマ 弐

前回の無意識自殺未遂に比べて面白いと思います

 変な猿夢……まさに今依頼に受けた内容と一致した。


 奇怪な猿夢、それが龍太君から聞いた話である


 「今ちょうど、猿夢の依頼を受けたところです」

 「変な猿夢で意識不明になってしまう、っていう」


 「そう。じゃあ私は何もできないかもね」

 「標的にされたなら、自分でどうにかはできないな」


 紫雨さんは特異な猿夢が怪異だと確信したようで、

 私に依頼を託してくれたように思えた。


 ということは、私がどうにかしないと紫雨さんが

 大怪我を負うことになってしまう……


 「龍太君! できるだけ早く調べて!」


 「わっ、わかりました」


 それから私と龍太君は3日後に会う約束をし、

 龍太君は帰路を辿っていった


 「いやいや、時雨。はやくも1人仕事じゃないか」

 「これから私が死ぬまで10日ってところかな」


 「なんてこと言うんですか! 死なせないですよ」


 紫雨さんは恐れを知らないといった感じで

 いつものように笑う


 「わかった。期待しておくね」


 「そりゃあもう、期待していてくださいよ!」


 と言ったはいいが、普通の猿夢ではないのだから

 未知の対処法が必要となる。


 「……そういえば、どんな猿夢だったんですか?」


 「あぁ。猿夢の怪異は殺害方法を1人ずつ提示する」

 「でもね、私の時は一言"殺す"と言われた」

 「腹で真っ二つになった人形を持ちながらね」


 人形……呪術的には身代わりも担う特殊な物。

 訳がわからなくなった私はもう一度パソコンに向かう


 「さ、る、ゆ、め……っと」


 さっきはあまり見なかったサジェスト

 その中の1つに興味を引くものがあった


 サルユメサマ おまじない


 他の検索とは少し特異で、惹きつけられる

 検索すると、あるサイトに行き着いた


 「……あなたの苦痛を猿夢が解決?」

 

 サイトを遡ると、都市伝説のまとめサイトのようだが

 猿夢が1番大きく貼られている


 掲載内容は他のまとめサイトと遜色はなかった

 ある一点を除いて


 「なに、これ? サルユメサマ応募フォーム?」


 応募欄には自分の名前と利用規約の同意だけを

 求められた。


 これで何をどう応募するというのだろうか。


 「注意事項……強い思いがないと成功しない?」

 「代償はあなた……?」  


 「おもしろいサイトだね」


 いつから居たのか、隣から不意に声がした

 紫雨さんである。


 「ほら、他の都市伝説もごちゃまぜだよ」

 「”ヒラサカバコ”とかさ」


 私は生憎、都市伝説の知識があまりない。

 だから違和感がなかった


 「黄泉と繋がる道と呪いの箱の合成かな」

 「他にも”口裂け犬”とかね」


 都市伝説知識のない私でも、口裂け犬は

 違和感の塊である。

 何だその面白い怪異は。


 「確かに、私でも知ってますよ。口裂け女」

 「あと、犬は……人面犬かなぁ?」


 「そうだろうね」

 「まぁ、元から犬は口が裂けているが」

 

 わあ、確かに元から犬は口裂けだー。

 なんでやねん。都市伝説ちゃうがな


 それから、他のページも見てみたが

 やはり、”サルユメサマ”のページが

 一番作り込まれている


 「都市伝説っておもしろいですね」

 「怪異のこといっぱい知れて……」


 その時すでに時計はいい時間を回っていた

 空には星が広がり、街は影を落としている


 夢中になるあまり、時間を忘れて没頭していた

 後ろでは紫雨さんがソファで寝ているのがわかった。


 「私も寝よう」


 電気を消して、美しい紫雨さんを拝み床につく。

 てっきり私も夢を見ると思っていた。 


 私の目が覚めた時には時計は9時を回っていて

 少し寝坊したかに思えた。


 「……紫雨さんも、まだ寝てる」

 「……依頼あるんですから、起きてくださいよー」


 少し目を開けた紫雨さんは微笑み、私に

 「ありがとう」と呟く。


 「もうアレは猿夢ではないのかも知れないね」

 「多分だけど、アレは……」


 紫雨さんの話を聴いている時、事務所の電話が鳴る

 電話の先は龍太君だった


 「もしもし! 春雨さん!」


 「今日は学校でしょ? そんなに急いで」

 「どうかしたの?」


 今日は平日。

 最近の小学生は学校にスマホを持っていくのか。


 「学校だけど、大変なんだよ!」

 「佐藤くんが、佐藤君が……亡くなったんだ」


 電話を聞いていた紫雨さんが話に割って入る。


 「その子、身長が高めだろう。色黒で」

 「目の横に傷があるね?」


 「どうして、佐藤君の事を知ってるの……?」


 「……昨日、夢の中で会ったからだよ」

 「他にも、龍太君と同じ様な年の子がいた」


 電話の先では龍太君が狼狽えているのがわかる。

 紫雨さんは、夢の内容を私達に語った。


 演劇場の舞台に何人かの子供と紫雨さんが立っていた

 すると、猿の玩具のような化け物が姿を現す

 

 そして、

 右手の取れた人形を手に、一番端の子を連れ去った


 「その端の子が恐らく佐藤君だろう」

 「時雨が起こしてくれなかったら、次の子もだった」


 「じゃあ、紫雨さんが連れて行かれるまで」

 「後……5日ってことです……よね」


 すると龍太君は急いだ声で「明日、事務所に行く」

 そう言ってくれた。


 「私、嫌ですよ……折角、助手になれて……」

 「私の居場所ができたのに……」


 私は紫雨さんに、半泣き顔で伝える。

 何を言って欲しい訳でもないのに。


 「ほら、泣き言ばっかり言ってても変わらないよ」

 「こういう時ほど、探偵は策を探すものだ」


 そう語りかけてくれる紫雨さんは優しいな。


 まだ助手になって日は浅い、それでも

 以前より楽しく、ずっと長い時に感じる。

 

 「ヒントをあげるよ。予想だけどね」

 「特異な猿夢、恐らく名称は"サルユメサマ"」


 「……はい、猿夢の記事で特異なのはアレしか」

 「でも、たまたま見つけただけで……」


 私は鼻をすすりながら、返答をする

 

 「仮定だよ。あのサイトに載っている都市伝説は」

 「ごちゃごちゃに混ざり合ってたね」


 そこで私はハッとした。

 いや、勘が悪い人間でも気付くだろうが


 「猿夢と混ざっている都市伝説がある!」


 にっこりと微笑んだ紫雨さんは私を見る


 「うん、泣き顔は無し。笑っている顔の方が可愛い」

 「時雨、期待してるよ。私を助けてくれないかな」 

あとどれくらいこの話続くだろう?

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