オフ会に気が乗らない個人的な理由
最近読ませていただいている連作短編にオフ会に参加したくない登場人物がいて、他のことをつらつら考えながらエッセイの構想を練っているうちに、そういや自分自身がオフ会の機会があっても避けていることに気がついた。
太古のね、パソコン通信の時代には何度か参加していたんだよ。参加していた草の根BBSは2つ、ニフティーの同業者フォーラム2つ、その時代はオフラインミーティングとかオフミと言っていたけど持ち回りで仕切りをしたこともあった。草の根BBSでは同年代の野郎ばっかりと言う回もあったし、家族連れて参加するから親子ほど祖父母と孫ほど離れた年代が混じった回(お花見とか麻雀とかマラソンとか)もあった。その場で知り合ったのがきっかけで結婚した夫婦もいたし、メンバーの結婚式に参加したこともある。同年代の異性と夜な夜なチャットしたり、恋バナになって相手の背中を押したりしていた。何やってんだか。
職場の同僚と付き合い出して、それでも家庭的なオフミとか同業者のそれには顔を出していたんだけど、付き合っている相手と上手く関係が保てなくなった、ある日。飲みに誘って、でも話が弾まない。共通の話題のアニメの、その延長で彼女が、オフミに参加して来たと言い出した。そのアニメに醒めていた自分、熱心に語る彼女。彼女の興味を受け止められなくなっていた自分。推しを熱く語る場が出来た彼女。「皆、いい会社に勤めている人ばかりだったよ」と。
オタサーの姫、か。
醒めちゃった。
彼女と別れ、家庭的なBBSを抜け、結婚相談所に登録し、会社と住む街を変え。
お互い、不安だったんだろうか。
その後2・3回、オフミに参加したけれど。結婚してから子どもができてからは、新たな人間関係を築くのが億劫になってしまった。いや前から億劫だったのが、優先順位がさらに低くなった。元々人の顔を覚えるのが苦手だし、街を歩くときも秘密にすることがないからノーガードだし、「昨日、どこどこで見かけたよ」言われても気が付かないし。
多分もう、街で出逢っても分からないや。人の顔を覚えるのは苦手だから。