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探索!果樹・花チーム

果樹・花チームは果樹科の綾乃と園芸科の優衣だ。2人は広い畑のそのまた奥へ向かっていた。


「せっかく、魔法使えるようになったのに結局は農業やるのか…。」


「綾乃の家は、みかん農家だもんね。」


「そう。やること一緒じゃん。」


「でも、魔法で楽できるかもよ〜。

家の中のキッチンもお風呂場もハイテクじゃん。」


「確かに。」


「どう?少しはやる気出た?」


「少しな。


…ってか、果樹園遠すぎだろ!!!」


綾乃の叫びは辺りに反響した。

しかし、帰ってくる声はなかった。


「あっ!これって。」


優衣が何かを見つけて駆け寄った。

綾乃は、ゆっくりと近づいた。

優衣の視線の先には、地面から葉が2枚空に向かって生えている。


「チューリップだよ!時期になったら掘り上げよ!」


優衣はそういうと、紙を取り出してメモをした。


「何書いてんの?」


「花の場所。ここ広くて、たぶん覚えられないかもだから。案外使えそうな花が、あちこち植ってるの。」


「ふーん。やっぱ、優衣ってマメだよな〜」


「忘れたくないからね…。」


15分程歩くと、やっと元果樹園である場所に辿り着いた。


「やっぱり荒れてるな…」


枯れた草が伸び放題の畑に、木が数本生えていた。しかし、枝にぶら下がっている実であった物は茶色くしわしわに腐れていた。


「…ここでも柑橘かよ…」


綾乃は、せめて育てたことのない果実を願っていたが、その願いは叶わなかった。


「何から始めるの?」


優衣が綾乃に尋ねた。


「とりあえず、明日は除草作業からだな。そっから、剪定かな〜。

優衣、花の方はもう少し見たいところあるか?」


「うん。さっき通ってきたところに、ハウス建てれないかな〜。」


「とりあえず、見に行ってみる?」


「うん。」


「運搬車欲しいな。紫穂だったら、作れるかな。」


「うん。なんか、作れそうだよね〜。」


2人は来た道を戻り始めた。5分程すると優衣が立ち止まった。


「ここ、使っていいかな?」


恵とももかのいる畑から、離れたところに空き地があった。所々に細い木が生えているが、畑にもしようと思えばできそうである。


「わかんないけど、帰ったら、野菜チームに聞いてみればいいんじゃね。」


「そうだね。整備する時、綾乃手伝ってね。」


「うん…約束はできんな。」


「ハウスも建てる時も手伝ってね。」


「…魔法使えるか、実験していい?」


「材料壊さないならいいよ。」


「……うん、うん。」


「聞いてる?」


「うん。聞いてる聞いてる」


そういうと、綾乃は口笛を吹き始めた。


「必要そうなのも、分かったし、もう戻ろうぜ〜。」


「そうだね。なんか寒くなってきたし。」


日もだいぶん傾き、2人は家に戻る事にした。

用語説明


剪定… 不要な枝を切り、樹形を整えたり、風通しを良くしたりして、育成を促進したり、逆に育成を抑えたりする作業のこと。

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