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土作り!

雨上がりの朝は、いつもより少し暖かった。

恵とももかは朝食を済ませると、倉庫に来ていた。


「今日は土作りをします!」


「はーい!」


恵は"苦土石灰"と書かれた袋を持ち上げると一輪車に5袋積んだ。ももかも一輪車に5袋積むと、家の裏の畑に向かった。


「ふぅ〜。ももかお疲れ様!重かったね。」


「うん。実習を思い出すね〜。」


2人は、また倉庫に戻ると、耕耘機と散布機を持ってきた。散布機は真横から見ると三角形をしている。後ろから見ると四角の箱型で、中に肥料や石灰などが入るようになっている。


「ここに苦土石灰を撒きます!

では、問題です。ももかさん!」


「はい!」


「なぜ、苦土石灰を撒くのでしょうか!」


「土壌のphの数値を上げるためです!」


「正解!そんなあなたには、この散布君の起動及び監視を許可しましょう。」


「わーい!スペシャルなやつだ!」


「でも、危ないから、ここには、触らないでね〜」


「…はーい。」


「あっちの、堆肥を撒いたところもするの?」


「そこには、ジャガイモを植えます!」


「撒かなくていいの?」


「ジャガイモはアルカリ性に傾けると、そうか病になる恐れがあるから、苦土石灰はまかないよ。

雑草もギシギシと、白クローバーが結構多かったから、たぶんphは5.5くらいじゃないかなジャガイモには完璧な土壌phなんだよ〜」


「さすが、恵!先生みたい。」


「これ、授業でやったよ…」


「そうだっけ?」


「うん?ん?」と首を傾げるももかに、恵はクスッと笑った。2人は耕耘機と散布機を畑の中まで持ってくると、恵がポケットのメモの紙を取り出した。


「では、説明をします!」


「はい。よろしくお願いします。」


「まずは、黒い丸いところに手をかざします。」


ももかは、耕耘機と散布機それぞれにある黒い丸い所に手をかざした。恵はそれを確認すると続けた。


「同じ人物が、同時に、それぞれの黒い丸いところに手をかざすと連動できます。」


ももかは、少し考えた後、両手をそれぞれの黒い丸にかざした。


するとももかの前に、

"連動完了しました。作動範囲を入力してください。"

と言う赤い文字と、0〜9の数字と×とmの数字が浮き上がった。その様子を見た恵は、ももかの隣に来ると言った。


「20a分だから、100m×20って入力してみて!」


ももかは頷き、恵に言われた通りに入力すると、後ろの散布機の蓋がゆっくりと開いた。

"散布する物を入れてください。"

と宙に文字が浮かび上がり、2人は1袋20kgある苦土石灰を入れていく。

2人が粒状の苦土石灰を入れ終わると、黒い丸に手をかざした。すると蓋が閉まり、''苦土石灰100g/㎡''と表示された。


「おお!すごい!」と2人で驚いたあと、ももかが黒い丸に手をかざすとそのまま、握り拳をつくり、起動させた。


"10秒後起動します。安全な距離を確保してください。"


と表示され、2人は畑の外へと出た。10秒後、耕耘機と散布機は動き出した。石灰を撒きながらゆっくりと前へ進む散布機の後ろを耕耘機が一定の速度で耕しながらついて行く。


「よし!いい感じだね!」


「あと、60a分あるから、苦土石灰取りに行こうか。」


「はーい!」


恵とももかは、時折、休憩を挟みながら、倉庫から600kg分の苦土石灰を持ってきた。

しばらくすると、散布機と耕耘機が作業を終えて止まっていた。

ももかは先程と同じ手順で散布機の蓋を開けると、2人で苦土石灰を散布機に入れて、起動させた。


「そろそろ、お昼の時間かも〜」


ももかはくんくんと匂いを嗅いだ。風に乗って、お昼ご飯のオムライスの香りが漂ってきた。


「じゃあ、あとは機械に任せて、お昼にしますか〜」


「うん!」


2人は家で昼食を済ませると、畑に戻ってきた。


「おお〜。終わってる!」


散布機は中身を空にして止まっていた。2人は散布機に苦土石灰を入れると、また、起動させた。


「よし、順調!順調!

ももか、隣の畑のギシギシも取ってしまおうか。」


「はーい!」


恵はももかに剣スコップを渡すと、隣の畑に向かった。


「こっちは、向こうより少ないね〜!」


「うん!」


2人は黙々と、ギシギシを引っこ抜いては、一輪車に乗せて行った。

散布機が苦土石灰を撒き終えて、戻ってくる頃には、隣の畑のギシギシ取りは終わっていた。


「よし、これで最後だね。」


2人は残り200kgの苦土石灰を散布機に入れると、再び起動させた。

順調に進んでいるのを確認すると、隣の畑のギシギシが山積みになった一輪車を、畑の端まで持ってきた。ギシギシ以外の雑草が残っている畑で草刈機を起動させると、草を刈り始めた。

恵とももかは、ギシギシの根をはずしながら、その様子を見守っていた。


ギシギシの根を全てはずし終わると、それを干すために2人は倉庫に一輪車で運んだ。

畑に帰ってくると、耕耘機と散布機が今日の仕事を終えていた。2人は耕耘機と散布機を丁寧に洗い、倉庫にしまった。

空がオレンジ色に輝き、雲がうっすらと黒色を帯びてくる頃には、草刈機も役目を終えていた。恵とももかは草刈機も丁寧に洗うと、倉庫へとしまった。


「ふぅ、ももか、今日の作業はこれで終わりだよ!」


「お疲れ様〜」


「お疲れ様。今日のご飯なにかな。」


「お腹すいたね。」


2人が汚れた作業着で、帰る頃には、あたりは薄暗くなっていた。


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