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天空の島
「天空の島」
見上げると蒼穹の青、見下ろすと紺碧の青。そんな場所がこの浮遊島だ。
足が地についている感覚が無くなる程開放的で、とても美しい島だ。
そんな場所だから次々人がやって来るようになり、住むようになった。
この島に来たある学者が表情を曇らせて言った。
「このまま島に人や物が増えたら、この島は落ちるかもしれない」
――――これ以上、重くしてはいけない――――
しばらくして島に”安全維持規則”が出来た。
1.島にモノを入れる時は手続きをすること。
2.島にモノを入れた場合、入れたモノより重いモノを島から落とすこと。
3.島民は1年に1つモノを島から落とすこと。
4.上手く落ちず島に残ってしまった場合、代わりのモノを落とすこと。
そして島民は”要らないモノ”を島から落とすようになった。
この物語は、××が閉鎖されたこの島で見失った「自分」を取り戻す物語である