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天災の魔女  作者: たかしろ
5/5

混乱

 グラハムの頭の中は混乱していた。難攻不落のベルル要塞、その城壁が根本から崩れ去ったのである。確かにこの地域で地震は珍しい。しかし全く起こらないわけでもない。ベルルに赴任して以降、一度だけ大きな揺れに見舞われたが、その時は壁の一部が損壊する程度だった。今回も同じである、経験則からそう判断し兵士をその場に留まらせたのだが・・・

「うわぁぁあぁぁ」「助けてくれぇぇぇ」

 崩れ行く城壁ともに無数の兵士たちが落下してく、落ちる高さと崩落する石の大きさを考えれば到底助からない。揺れは想像をこえて大きくなり、門や通路の守備に当たっているものたちも巻き添えにし壁は崩れていく・・・

「うぅ・・・なっ!」

 歴戦の将軍とは言えさすがに狼狽する。とっさに辺りに目を配ると余計混乱に拍車がかかった。揺れが局地的なのである。地震の揺れとは通常広範囲に及ぶ。起こるときはその地方、町単位で揺れを感じるものだ。

しかし要塞側に目を向けると、本陣を守備する兵士たちは整然と立ち並んだまま、驚きの表情でこちらを観ているのである。

城壁の両端にも目を向けるとやはり幾分揺れが弱いように思える。およそ自然現象としてはあり得ないことが起きている。想定外の出来事がグラハムの思考時間を奪った。

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