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法の番人とスーサイド・スクワッド

 保安局が設置に関わった組織は内閣情報院の他にもいくつかある。


 たとえば司法省捜査執行部が良い例だろう。


 実は保安局は逮捕権や捜査権を持っておらず、できるのは一時的な拘束や保護または調査だった。


 そんな保安局のために作られた組織こそが捜査執行部だった。


 保安局は暴動鎮圧の際には拘束しかできないが、拘束した人物を司法省に引き渡し、捜査と送検を任せれば良かったのだ。


 では何故司法省にこんな組織ができたのだろうか。


 実は司法省は内務省と敵対関係にあり、過去に治安維持部隊の管轄で対立したこともあった。(その際には省庁の中で一番最初に脱落してしまったが)


 司法省は内閣官房と同じく危機感を抱いた。内務省に取り込まれてしまうのではないかと考えたのだった。


 そうして司法省は同じく内務省と敵対関係にある保安局に接近し、相互的に協力関係を築くまでに至った。


 当初保安局は警察と連携して活動しようとしていたが、内務省が勝手に敵対してきたので司法省からの接近は渡りに船であった。


 ところでなぜ捜査執行部という名前かわかるだろうか。


 捜査執行部には捜査課と検察課、そして執行部隊が存在した。


 捜査課が捜査を行い、検察課が送検して裁判にかける。これが一般的な流れだが、では執行部隊は何のためにあるのか。


 実は執行部隊とは軍人などを強制的に捕縛する部隊である。


 クーデターまたはそれに準ずる事態が発生した時に、参謀本部や軍令部などを占拠し総長や幕僚を捕縛することが考えられていた。


 ようは三権分立のように軍隊を抑制・監視するため、執行部隊が設立されたのである。


 その役割は保安局が担うはずだったが修大朗が司法省に押し付けたのだった。


 保安局の装備が供与されており、実態はほぼ保安局の一部だと思われがちだが、ちゃんと独立した外部機関ではあった。


 詳しく言えば内閣保安局が執行機関であり、司法省捜査執行部は補助機関である。


 実は保安局が設置に関わった組織はいくつかあるが、ほとんどは附属機関になっている。


 たとえば同時期に鉄道省や逓信省に設置された組織は内閣保安局の附属機関になっている。


 それと比べると捜査執行部の独立性が高いのが分かるだろう。


 まあ結局のところ保安局に比べてあまり活躍は出来てはいないのだが。


 しかし歴史の要所で活躍するのだがそれはまた別のお話。


 こうして保安局・内閣官房・司法省などによる一大派閥が誕生した。そのせいで意図せず修太郎は多大な影響力を持つことになる。

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