表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/16

手記



これは2020/07/11(土)に5名(つこさん。、伊賀海栗さん、花水木さん、よしあきさん、Gyo¥0-さん)で行った、「作者人狼」に提出した作品です。


あとがきにみなさんの反応を載せます。





まだ少し大人になりきれていなかった時分、僕は僕の気性から、昇ってくる日に毎朝挑んでいた。

その行為自体はとても意味のないものだったけれど、目が覚めて奴が姿を現し始めるにつれて、ずっとそれを睨みつけていたのだ。

きっとそれはあの頃の僕には必要不可欠な習慣だったけれど、その奇妙さを説明することも言い訳することも、もちろん意味を定義づけてやることも僕にはできなかった。


僕は生まれも育ちも南部の人間で、僕が生まれた年に父はリー将軍に率いられてサムター要塞に討ち入った。

戦況はそのときには良かったし、父は命を失うことなく帰って来たのだけれど、受けた傷が元でそれまでのように働くことはできなくなった。

だから僕の中で父という存在は、いつも椅子に座って気難しそうにしているとても怖い存在として記憶されている。

考えてみれば僕は抱き上げてもらったことすらない。


それでも僕は父に似たのだと思う。

折に触れて母にそう言われたものだし、朝日を睨むときの表情は自分でも驚くほどに父そっくりだった。

だから僕は父の顔を忘れたことはないのだけれど、その他のことは多くを忘れてしまったように思う。


僕は父に似たけれど、ついぞ僕はその父のことを理解することなく、父は亡くなった。


今僕は連合軍が去っていくのを、朝日のように睨みつけていた子どもではなくて、黒人隔離政策に反対票を入れるひとりの弁士となった。

それはもしかしたらあの気難しい表情の父から受け継いだ頑固さに因るものかもしれないし、そもそもの僕が挑戦的な気質を持っていたからでもあるのだと思う。

それにしても奇妙なことだった。

僕は南部の男なのに。


それは僕と同じ白い肌の友人から、涙ながらに受けた告白に端を発する。


彼は僕の血統ゆえの気難しさを愛してくれたし、その中にある僕自身を見てくれた数少ない友人だった。

だから彼が突然泣き出したとき僕は動揺したし、不器用ながらも慰めようとした。

それについて彼は言った。

「僕を本当に慰めてくれるかい」

と。


もちろんさ、と僕が請け負うと、彼はまるで僕が朝日でもあるかのようにじっと見て、そして言った。

「僕の母は、黒人なんだ」

僕は彼がなにか大きなジョークを思いついたのだと思った。


けれど本当のことらしかった。

彼の家に勤めている黒人女中が本当の母親なのだそうだ。

僕はいろいろな人から彼の母親はずっと前になくなったと聞いていた。

だから聞いたことがすぐには信じられなくて、けれどどうにかこの優しい友人を慰めたくて、僕は信じるよと言った。

そしてその秘密を決して誰にもはなさないとも。


僕の闘いはそのときに始まった。

自分の白い肌を憎いと言う友人の涙を見て。

腕を引っ掻いてはニグロになりたい、その苦しみを自分も味わいたい、と述べる、ぼろぼろと落ちるその涙によって。

「僕は白い黒人なんだ」

その言葉は僕の心を打った。


なぜ肌の色によって縛られるのだろう。

はじめてそのときその疑問にたどり着いた。

けれど友人が僕にそのことをうちあけてくれたのは、僕がそのことを考えるだろうという予想からではなくて、心の苦しみからだった。


僕はそのときからずっと考え続けている。

南部の男として南部に生まれ、黒い肌も白い肌も見て育った。

僕が睨みつけていた朝日は、どちらの肌にも昇るものではないか?


僕が朝日を睨むことはなくなった。

元から憎いわけではない。

僕はそこに敬意を抱いた。

偏見なく誰の上にも昇る太陽。


僕が闘うことにしたのはそういうことだった。

ひどく単純で、でも複雑な問題だった。

予測される苦しみは、不平等に黒い肌の者にだけ訪れるものだ。

白い肌の黒人が、ひとりくらい増えてもいいだろう。



朝日は変わらず眩しい。





よしあき:ww最後。手記を書いたのは??

つこ:つこさん

花水木:あたった!

よしあき:あーぎゃていさまかとおもってたわー

うに:ぎゃていさんわらう

Gyo:ぎゃてーさん寄せした?

つこ:いや、あのころの米文学意識した

うに:つこさんぽいもの外しにいってぜんぶ外す私すごくない?

Gyo:そーいやー、米文学好きでしたね!

つこ:あい

Gyo:敗因:アキヤラボパが浮かんだ

花水木:笑っちまうかも……に似た何かは確かに感じましたよね

うに:wwwwww

つこ:www

花水木:ちなみに私は空青っぽいなっておもってつこさん。に入れました

うに:わかるぅ

よしあき:なるほどねー

つこ:ちなみに黒人女性から白人の子が生まれたのは実例がいくつかあるんだー

うに:白人女性から白人の夫との間に黒人の子が生まれたの思い出しちゃった(´・ω・`)

つこ:それふつううに修羅場

Gyo:あるのは知ってる

うに:でもちゃんと夫の子だって話だった気ががが

よしあき:遺伝子でそういうこともあるらしい

つこ:隔世遺伝

うに:ほへぇ

よしあき:うーん、肝心のつこさんはずしまくりだったなー

うに:我も!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
[良い点] こりゃあ面白いですね! なまこさんが言ってた遊びってこのことなんですね! [一言] だれか全流れを書いてくれませんかね! 絶対面白いですよね! 古き良きSS形式で!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ