リョウタも笑った。
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即興小説トレーニング
を使って、制限時間15分、お題:同性愛の笑顔 で書いたものです。
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ラスト一行を改稿しました。
「俺、ホモなんだ」
涙ぐみながらリョウタは言った。
あたしは突然の告白に、ハイボールを口に運んだ姿のまま硬直した。
頭の中はせわしなく動いている。
ああ、「あんたの結婚式では友人代表やるからね」って言ったとき、「俺、結婚するのかなあ?」とかはぐらかしたり、クラスが違うのにしょっちゅうナカタくんのこと話してたり(「好きなのかなあ?」ってふと何度か思ったけど、それ以上つっこんで考えたことはなかった)、ガチ同性愛者の方が描いたやおい本のこと知ってたり、ああ、なるほど、なるほど、なるほど……。
「そっかあ」
あたしはあれだ、こんなときどんな顔したらいいかわからないのってやつで、とりあえずジョッキに半分も入っていたハイボールを一気した。
リョウタはこっちを見ない。
泣きそうな顔してる。
あたしはどうしていいかわからなくて、通りがかった店員さんに「電気ブラン、ハイボールで」と言った。
「なんか、ごめんね」
あたしは申し訳ない気持ちになって、崩してた脚を直して正座する。
「気づいてなかった、なんか、あたし、いっぱいリョウタを傷つけた気がする」
「そんなことないよ!」
「言ってくれてありがとう、うれしい」
あたしが笑ったら、リョウタも笑った。