金木犀の君に
これは2020/07/11(土)に5名(つこさん。、伊賀海栗さん、花水木さん、よしあきさん、Gyo¥0-さん)で行った、「作者人狼」に提出した作品です。
あとがきにみなさんの反応を載せます。
花なんか別に好きじゃなかった。
夢をみた。
限りなく幻想的で、孤独な夢だった。
鈍色に染まる金木犀。
地平線が僕を飲み込んでカーテンコールを要求している。
(嘘つき)
蝶が一匹なにかの次元を超える。
世界は思ったより狂っていた。
でもとても綺麗で、僕は泣くことしかできなかったんだ。
目が覚めたら現実。
手にしたらそれも実像。
夢の中の声が妙にリアルに思えて僕はその理由に打ち沈む。
窓の外には金木犀。
だれが植えたものかは僕は知らない。
でも君が好きだってことは知っている。
花の名前を調べたのは人生でこれきり。
花言葉は「謙虚」「謙遜」「陶酔」「初恋」。
謙虚で謙遜な君の甘い香りに陶酔して、僕ははじめての恋に落ちた。
僕はこの花の名前を、意味を、香りを、生涯忘れることはないんだろう。
「今度出会うことがあったなら、お互いもう足をとめないで歩いていこう。
すれ違って、そのまま振り返らずに行こう」
震える手を背に隠し呟くように言う君に、僕は頷いた。
結局、僕は君を傷つけることしかできなかったね。
君との思い出を取り上げてなぞってみる。
どれもこれも演劇の一幕のように思い描ける。
君がいて、僕がいて、世界はただそれだけだった。
雨の日に、その気高さを香らせながら金木犀は散った。
僕は君との間でもっとなにかできたのではないかと今更ながら考えた。
花弁は千々に乱れ、けれどどこか淡々として。
僕が明確に君との終わりを意識したのはまさしくそのときだった。
いまさらだけれど悲しくて、僕は泣いたけれどひとりだ。
君を傷つけた理由に気づいた。
とても愚かな僕のせい。
感じる痛みは君にそれを伝えられないことを思って。
謝罪の言葉さえ受け取ってもらえなかった僕は、なにを謝るべきかさえわかっていなかったんだ。
もう何もかもが手遅れで、きっと巻き戻すことも取り返すこともできない。
それに気づけただけ、僕の恋はムダではなかったのだろう。
君の言葉を思い出した。
「今度出会うことがあったなら、お互いもう足をとめないで歩いていこう。
すれ違って、そのまま振り返らずに行こう」
あのときはそうすべきだとの気持ちもなくて、ただ頷いたけれど、今なら君の気持ちがわかる。
だから、僕は約束しよう。
消えない僕の中の君に。
たとえまた君と出会うことがあっても、足を止めずに歩いてゆくよ。
あるがままの他人として、すれ違って、そのまま振り返らずに行ける。
涙が頬を濡らした。
きっと大丈夫だって、今なら言える。
よしあき:ではつぎに金木犀を書いたのはだれだー?
つこ:わたしー
花水木:これはまあそうだろうなって感じが
よしあき:昼夜と金木犀、どっちがうにさんが書けるか考えればよかった
つこ:まあそうよね
うに:はずしにいったら普通にはずれたわ
詩情わからんて言うてるのに(´・ω・`)
つこ:ちなみに昨日かいた
Gyo:ポエムっ!
花水木:花なんか好きじゃなかった。
の時点でつこさん。ですよ
よしあき:昼夜もつこさんぽかったんだもん
花水木:(あたると突然大きな顔をするやつ)
うに:いつか、「花なんか別に好きじゃなかった」から始まる何か書いてみよう
つこ:かいてみてくれ
うに:むりですごめんなさい