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理性の蓋が飛んでいった(※念のためR15)

ワンナイトの経緯です。

主人公がちょっと…あの…痴女…いや、書いてたらなんかこうなってしまい…すみません。

ちょびっと行為を匂わせてますが、たぶんセーフのはず。

記憶を取り戻しつつ新幹線の中で頭を抱えた。

酔った私、何してくれてるの?他人に迷惑かけて言わないでおこうとした想いも暴露して?

いや、とりあえずメッセージアプリの確認だ。

メッセージアプリを開いても通知はない。ほっとしたものの油断は出来ない。

先手を打たないと友人関係が壊れてしまう。それだけは避けなければ貴重な友人関係なのだから。

私は優花に昨日の夜は酔っぱらったみたいだけど、記憶飛ばしてるみたいでねーとメッセージを飛ばし、和人にも同様のメッセージを送る。

そう、お酒のせいなのだ。ワンナイトってのはお酒から始まってあっさり無かったことになる一夜の夢なのだ。

ましてや、知り合いとなればうやむやにするに限る。

帰って寝るまでに手を回さないと後がこわいのが人間関係なのである。



琢磨の腕に抱きついて、ふわふわと笑う。

「き、桐川さん?何してくれてるの?」

「ん?ぎゅーってしてる…相本くんの腕って筋肉あるねぇ…」

「はい!?」

ああ、申し訳ない…酔った私は暴走している。

でも、大学生のときから身長が高くて筋肉があるんだなぁとは思っていたのだ。

就職活動のときにたまたま説明会で鉢合わせて、そのままお昼を一緒に食べたときにジャケットを脱いだときなんてドキッとしたものだ。

「桐川さん?あのさ、腕にその…」

「胸はあててますーちょっとはあるつもりなんだけどな…やっぱり無いか…所詮は私のお胸さまも身長に取られたんだ…」

痴女だ!酔ったら痴女になってしまってたのか!

「いや、あるよ?ふわふわだよ?いや、そうじゃなくて!」

すまない。変なフォローをさせてしまった。

それなのに私は…

「そりゃあ、私じゃ役不足なのはよく知ってるともー優花みたいにかわいくないし、ふわふわしてないし…世間一般の同年代女性みたいにキラキラもしてない…我がお胸さま…君が頼りだったが、これ以上は大きくなってくれないもんな…元カレだって脱いだら残念がってたもんな…所詮、横になれば平たい…」

こ、こらー!酒の勢いで自分の残念な胸の事情を昔の片想いの相手に話すとかしてはいけません!


「…は?」

琢磨の声のトーンが下がると同時に周りの空気も下がった。

「おーい、何やってんの?桐川さん、酔ったの?」

和人が彼女との電話を終えて席に戻ってきた。

琢磨の冷気には気づいていない。

「桐川さん、酔ったみたいだからホテルまで送ってくる。あと、金はこれな。」

琢磨が財布からお札を数枚出し、テーブルに置くと私のハンドバッグを寄越せと和人に指示した。

「おー…あ、ちょっと待って!桐川さんが酔ってるなんて面白いの久しぶりに見たから、こっちが多めに出すわ。ほい!」

和人がお札を琢磨へ戻すと面白そうに笑った。

「分かった。じゃあな。」

「おー!あー、明日は彼女に会える!」

和人は相変わらずの彼女最優先だが、琢磨の出ていった方向を見てもう一度笑った。


「ほら、歩ける?」

「歩けるよーほら!」

琢磨の腕に捕まりながらも歩く私だったが、少しだけ悪あがきをしたくなって、立ち止まる。

「どうした?」

琢磨が私の方を向いたときに少しだけ背伸びをしてキスをする。キスはアルコールの味なのに少し甘かった。軽いキスなのに味がするなんて酒の力はスゴいのだろう。

「今日だけだから…ね?思い出ちょーだい?」

「本当に…本当に煽るの上手くなりすぎでしょ!こっちの気持ちも知らないで!」

琢磨が私の息を全てさらうようなキスをした。


それからは琢磨の宿泊しているホテルの部屋に連れ込まれ、ベッドへと押し倒された。

「夢なの…琢磨の腕の中にいるなんて…都合のいい夢…」

「夢じゃない!どれだけ我慢して、友だちだからって優しくしようとしてたか…」

「今日だけ許してね?そりゃ、私たち友だちだけどさ…あ、でも、体は残念らしいからあんまり見ないでね?」

「また元カレ?」

琢磨の声のトーンが、低くなる。

「だって、そう言われた。前の職場だって、結局は大したことないんだなって…だから、琢磨が気持ちよくなればいい。私は今日の思い出だけもらえればいい。お互いにメリットがあるでしょ?」

「メリット…」

「それに話してた職場にかわいい女の子だっているだろうし、優花だってかわいいよ?優花と付き合わないのかな?後押しだってするのにって思ってる。」

「分かった…桐川さんの言いたいことは分かった…でも!ああもう!好きにする!」

「うん、それでいいよ。」

笑った私に琢磨は噛みつくようなキスをして、そして2人でシーツに溺れた。

琢磨からはかわいいやきれいって誉めてくれて、優しくしてもらった気がする。でも、優しさの反面手加減もなかった。

私も嬉しくてそれに返すのに必死になって、そして気を失ったのだ。



そして、朝に私は自分の顔の目の前に見知った男の寝顔を見て心の中で絶叫したのだ。

酒は飲んでも飲まれるな…いいね?

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