第2章『温泉へ行こう』4話「信頼と愛情」
『いつか自分にもそう言える人が出来るだろうか。迷いなく信じ合える、大好きな人』
1
ディーマとは風呂焚き場で別れ、ニットと気絶したキィロを連れて宿へ戻ると、拍手喝采で迎えられた。
人質の筈のナットとリョウも解放されているし、二人を囲む人々の顔にも笑顔が溢れている。
「利用されたみたいやな・・」
「ちっ・・」
呆れ顔のユーゼとケインの舌打ち。
意味の分からないタリアにニットがさりげなく耳打ちする。
「皆困ってたので、誰かに解決してほしかったんです。でも堂々と理由は話せないから」
魔獣の正体も、源泉の秘密も。
そこで偶然目についた旅人にイチャモンをつけ、その役目を押し付けたのだ。
きっかけを作ったディーマも、それは承知の上だろう。
「食えねぇ野郎だ・・」
キィロを肩に担いだまま、無然とした面持ちの従兄に、タリアは空笑いする。
「ユーゼ!」
「ナッちゃん!」
気付いたナットが走り寄ってくる。一歩遅れてリョウも。
ユーゼは小柄な体を力一杯抱き締めると、柔らかな髪に頬擦りした。
「おい!バカ、ここどこだと思って・・離せー!」
「だって嬉しいんやもん。やっぱえぇわ、この感触」
普段の美形ぶりが台無しになるくらい相好を崩すユーゼの胸元で、入れられっぱなしで押し潰されている蛙がゲコゲコと抗議の声を上げた。ナットもしばらく腕の中で嫌そうに身じろぎしていたが、諦めたのかユーゼの背中に腕を回して、宥めるように撫でた。
「タリア!ケガないか?」
熱烈な再会な抱擁に気を取られていたタリアに、リョウが問い掛けてくる。
「俺様が付いててそんな真似許す筈ないだろうが」
「うるせぇよ」
憎まれ口の応酬はこの二人なりのコミュニケーションだと知っているタリアは、穏やかな笑顔を浮かべた。
「大丈夫です」
「そうか、ならいいんだけどよ、急に十字架が光ったりしたから」
「十字架が?」
何故、と顔にハテナマークを浮かべるタリアに、リョウは笑って首を振る。
「ま、無事だったならいいんだ」
「リョウさんこそ、何か危ない目にあったりしませんでしたか?」
「あ、あぁ。お前らが行った後は連中、途端に静かになってな。ついさっき温泉が戻ったとか言っていきなり縄解かれて・・上手く行ったのは分かるんだが、何かあったんだ?」
「えぇと、その」
どこから説明したものか、従兄に助けを求めようとした時、リョウが裏返った声を出した。
「ナット!?」
視線の先にいるのはニットだ。
「何で髪伸びて・・え、二人?」
ユーゼの腕の中にいるナットと、それを見つめる瓜二つの人物。
拘束をほどいて彼女に気付いたナットは、大きな目を更に大きく見開いた。
「ニット・・」
それからやっぱり、とでも言いたげに苦笑いする。
「先に戻ってるぞ」
一声かけて歩き出したケインの後を、リョウの背を押してタリアもついていった。
混乱気味のリョウには、あとで説明しますの一点張りで。
駐留所のとある一室にて。
同じ顔の人間が互いに向き合い、片やジーッと睨みつけ、片や気まずそうに頭を掻いている。仲介して二人を連れてきたユーゼは重苦しい沈黙に既に疲れた表情だ。
何度も躊躇いながら口火を切ったのは後者―ナットだった。
「あー、ニッ」
「バカァッ!!」
途端に罵声に遮られた。
「バカバカバカバカバカバカ」
「お、お前なぁ」
「バカバカバカバカバカ」
最初は甘んじて受け入れていたナットだが、元々短気な質だ、すぐにぷつんと堪忍袋の緒は切れて、大きな目を見開いて叫んだ。
「バカっていう方がバカなんだよこのアホニット!」
「アホって何よナットのバカ!」
呆れ顔のユーゼが部屋を出ていったことにも気付かず、そんな罵り合いがしばらく続き、次第に潤み始めたニットの瞳からポロリと大粒の涙が溢れるに至り、ナットはギョッとして口を噤んだ。
「バカバカ・・バカ」
「ニット・・」
「い、いきな・・り、いなくなる、から、あた、あたし、すごく心配・・て、なのに呑気な顔し・・笑ってて・・ずっと・・」
正式に配属が決まるという朝のことだ。ナットは置き手紙を一枚残し、血を分けた妹にすら何も告げず姿を消した。
薄情と罵られれば甘んじて受けるしかない、身勝手な行動だったと今にしてナットも気付く。
でもあの頃は彼も幼く、世間を知らなかった。閉鎖された忍の里の中で、用意されたレールの上をただ走り続ける未来。ナットはそれが耐えられず、抜け出すことしか考えられなかった。
ニットにも言えなかったのは、引き留められるのが怖かったから。泣いて縋られて、それでも決意は揺るがなかっただろうけれど。大事な妹を泣かして我を通す己を、嫌悪してしまいそうだったから。
結局、それは先延ばしになっただけで、今こうして、ニットの涙を目にしてもナットは生き方を変えるつもりはなく、だからどうか分かって欲しいと、自分より更に小柄な体を抱き締めた。
しゃくり上げる背中を優しく撫で、言葉を紡ぐ。
「オレさ・・里にいた頃ずっと、息苦しい気がしててさ。それが当たり前だと思ってたけど、免許皆伝になって奉公先が決まった時に、ダメだと思ったんだ。誰にも指図されたくない、オレの力を試して、自由に生きていきたいって」
「な・・ん、で・・だって、ずっといっしょ・・がんばろ・・って・・」
「うん。オレもそう思ってた。でもダメなんだ。オレは組織の中じゃ息が詰まるし、例えそれが悪魔教での仕事でも、与えられるモノじゃ満足できない。それに、出会っちゃったんだよ・・一緒に生きていきたいと思える奴に」
「・・ッ!」
肩をビクリと震わせ、ニットは唇を噛んだ。
「あの・・優男?」
「うん。ああ見えてダメな奴でさ、オレがいなきゃって、そう思うんだよ。ニットはさ・・大丈夫だろ」
「だ、だいじょぶじゃ・・」
「大丈夫だよ。思い込み激しいのは相変わらずだけど、上司とも上手くやってるみたいだし、今の仕事、好きなんだろ。分かるよ、血を分けた兄妹なんだからさ」
「あたし、は・・」
「・・本当はもっと早く、出てく前にちゃんと言っておくべきだった。ごめん!」
体を離して勢い良く土下座するナットに、瞬いたニットの目から新たな雫が頬を伝った。
ナットは頭を上げ、妹の顔を覗き込む。
「でもさ、離れててもオレ達の絆は変わらない。一緒に頑張っていける。そうだろ?」
ニットは深い逡巡の末、小さく頷いた。
「・・そんなに、好きなの?」
「へ・・?」
ぽつりと呟かれた目的語のない質問に、しばしきょとんとした後、意味を把握したナットは頭を掻き、溜め息をついた。
「あー、まぁ、な。うん・・好き、だよ。一緒に生きていきたいって、思うくらい」
顔をわずかに赤くして微笑んだナットに、ニットは涙を拭いながら良く似た笑みを浮かべた。
タリアは一人露天風呂へと向かった。
リョウはまだ心の傷が癒えないらしく、キィロもショックでとても入る気にはなれないと、ケイン共々部屋で休んでいる。
部屋に戻ってから、しどろもどろに洞窟であった出来事を話すと、案の定リョウは昨晩の襲撃者がニットであったことに気付いてしまい、再度トラウマを蘇らせてしまったのだ。
湯船には先客がいた。
「ユーゼさん・・」
返事代わりに手を上げる彼の顔に違和感を感じて、眼鏡がないせいだと気付いた。
「そういえば目、どれくらい見えてるんですか?」
「別に普通に見えとるで。アレは伊達やからな」
失踪中に視力が落ちたとばかり思っていたタリアは、返事に困ってとりあえず曖昧に頷いた。
そうしなければならない深い事情があるのかもしれないし、単にお洒落のためかもしれない。
どちらにせよ彼が彼であることには変わりがなく、だったら気にしても仕方がないと思う。
「ナットさんはどうしたんですか?」
「妹さんと話し合い中。同じ顔が向かい合ってキャンキャン言うとるの見てたら頭痛なってきてな。逃げて来たんや」
「あははは・・」
確かにそっくりな双子だった。ナットが小柄なせいもあって、髪型以外に見分ける方法はないような気もする。
(でも、ユーゼさんにはちゃんと分かったんだ)
再会した時、まるで半身を取り戻したようにナットを抱き締めたユーゼと、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに抱き締め返したナットの姿を思い出して、タリアは胸にじんわりと温もりが広がるのを感じた。
「何か、いいですね」
「うん?」
「ユーゼさんとナットさん。信頼し合ってるというか、すごくお互いを大事にしてて、えぇと、上手く言えないんですけど・・ユーゼさんに、ナットさんがいて、良かったって」
ユーゼが背負った過去の傷が、どれだけ彼を苦しめてきたのか、タリアには想像もつかない。でも今彼の隣にはナットがいて、笑っていられる。
「そうやな・・ナッちゃんがおらんかったら、俺はいつまでも過去に捕われるだけの、どーしようもない人間だったかもしれん」
「・・ユーゼさん、ナットさんのこと、好きなんですね」
それは何気無く口をついて出た言葉だった。他意もなく、当たり前のことに今、気付いたような。
ユーゼは一瞬きょとんとし、それから幼い頃タリアが好きだった優しい笑顔を浮かべた。
「あぁ、好きや。愛してる」
「・・・」
包み隠さず愛を告白されて、タリアも微笑んだ。幼馴染みの幸せを祝福するために。
いつか自分にもそう言える人が出来るだろうか。迷いなく信じ合える、大好きな人。
『信じてるからな』
その時ふっと、そう言ったリョウの顔が思い出されて、タリアはボンッと茹で蛸のように赤くなった。
十字架の触れる鎖骨がチリチリと熱い。
「どないした、タリア?のぼせたんか」
「はい、いや、あの」
「タリアにノロケはまだ早かったか。ムリせんと、少し湯冷まししてきたらどうや?」
「そうですね。いや、おれはそろそろあがります。昨日も入りましたし」
「そっか。滑らんよう気をつけてな」
勘違いしてくれているらしいユーゼに手を振って、タリアはよろよろと脱衣所に向かった。
部屋に戻ったらどんな顔でリョウに接すればいいのか、考えるだけでのぼせた頭はいっこうに冷えそうにない。
結局答えの出ないまま脱衣所でダウンしているところを、少し経ってからユーゼに発見され、問答無用で部屋に連れ戻された。
3
一方その頃、ケインの部屋では。
「鬱陶しいんだよ、てめぇ」
心底嫌そうにケインは暗雲を背負ったキィロを睨みつける。
勝手に押し掛けてきたキィロは、座布団を抱き締めゴロゴロ転がりながら、ブツブツと陰気な独り言を繰り返しているのだ。
「だってだってだってさー、すっごく楽しみにしてたんだよそれなのにー」
「泉質は同じなんだからいいだろうが」
「でもさロマンがないじゃない、お爺ちゃんが沸かした風呂釜に温泉の素って。それくらいならケイン君ちのお風呂でもできるでしょ、見たことないけど」
「確かにな」
マーキャベットでもトップクラスの貴族の屋敷だ。露天でこそないがサイズだけならここの温泉より上だろう。
「天然温泉に入りたかったのにー」
「あぁ、うるせぇ。そんなに入りたいならそのうち連れてってやるから、いい加減黙れ」
ピタリとキィロの動きが止まる。それからむくりと起き上がって、ゆっくり二度瞬き。
「連れてってくれるって、ケイン君が?」
「だからそう言ってるだろう。今回の一件が片付いてからだが」
苛立ちを隠しもせず告げると、キィロはばっと座布団に顔を押し付け。
「〜〜〜〜〜ッ!」
また転がり始めた。
「埃が立つだろう、このバカ」
足を伸ばして軽く蹴ると、キィロは顔を埋めたままくぐもった声で。
「だって、さぁ・・」
「何だよ」
「だって、それって」
それって何なのか、続きを聞く前に部屋の戸がノックされた。
「邪魔するぜ」
入ってきたのは隻眼刺青の男、ディーマだった。すぐ後ろにはニットも控えている。
「何の用だ?」
ケインが目を眇めて問えば、飄々とした笑みでちゃぶ台を挟んで腰を下ろす。さっとニットが座布団を敷き、自分は少し下がって正座する間に、キィロも起き上がってのろのろとケインに並んだ。
「今回は、うちのが面倒かけてすまなかった」
「すみませんでした・・」
キセルを燻らせる主の目配せで、少女は深々と頭を下げた。これが土下座ってやつか、とキィロは思う。
「ナット君とは話がついたの?」
「・・ッ」
顔を上げたニットは、むっとして俯いてしまった。どうやらそこまで穏便な決着はつかなかったらしい。
「とりあえず、兄さん方を襲うような真似はもうさせないから、安心してくれていい」
「で、わざわざそんな話をしにきたのか?」
ケインは無躾にも見えるくらいぞんざいな物言いだ。普段から口も悪いし俺様な性格ではあるが、キィロにはご機嫌斜めなことが分かり、ひやりとした。面倒に巻き込まれたことは勿論、ディーマのようなタイプは多分、相性が悪いのだ。
遠慮なく睨みつけてくるケインに余裕の表情を崩さず、ディーマはふぅと紫煙を吐き出した。
「兄さん方、ダイワに行きたいんだってな。悪魔教の総本山に用があるとか」
「だったら何だ」
「いやね。俺も一応信者の端くれなもんでね、教会・・なんて洒落たもんじゃねぇが、間借りさせてもらってる屋敷がある。詫び代わりだ、ダイワ滞在中の仮宿にどうかと思ってな」
胡散臭い口ぶりに底の見えない笑み。黒い右目からは何の思惑を読み取れない。ケインはきっぱり断るつもりだった。
しかしそれより早く。
「屋敷にゃ、小さいが本物の天然温泉もあるぜ」
「行く!!」
キィロが即答していた。
「おい!」
「天然温泉だよ天然温泉しかもご招待ってことはタダなんでしょ!?」
「あぁ。客人から金取ったりはしねぇよ。必要なら食事くらいは用意できるぜ」
テーブルがなければディーマに抱きつくくらいしていそうな喜びようだ。
「温泉食事寝床もついてタダ!!絶対行く行く!ね、いいよねケインくん!」
「うっ・・」
キラキラ赤い目を輝かせて迫ってくるキィロに、さしものケインもたじろいだ。生まれてこの方金に困ったことのないケインと違い、日々あくせくとバイトで食い繋いできたキィロにとって、タダより素晴らしいものはないらしい。
ダメだというのは簡単だが、キィロはきっとごねるだろう。さぞかし煩いに違いない。
それならば、気に食わないが了承してしまえば、とりあえず陰気な空気は払拭できる。その屋敷とやらに行って都合が悪ければ他に宿を探せばいい。どうせダイワには行くのだから・・。
と、無理矢理自分を納得させて、ケインは不承無承頷いた。
「やったーッ!!」
今にも踊り出しそうなキィロの首根っこを抑えて溜め息を漏らすケインを、ディーマは愉しげに眺め。
「さてと、そうと決まれば俺達は一足先にダイワに戻らせてもらうぜ。馬車は手配しておくから、あんたらは準備出来次第ゆっくり来るといい」
「あぁ?別に準備なんざねぇよ」
旅の合間に寄っただけだ。大した手荷物もないし、今のキィロならここでお土産を買うなんてバカなことも言い出さないだろう。
しかしディーマはキセルを燻らせ、低く喉で笑った。
「さっき銀髪の若い兄ちゃんが風呂場で倒れたって騒いでたぜ」
「タリアが?」
「のぼせただけみたいだがな。あんたらも朝から狩り出されて疲れただろうし、少し休んでから出発したらどうだい」
朝から騒ぎに巻き込まれた一因はこの男にもあるのだが。
「この屋敷はあとで管理の者が来る・・ので、そのまま出て・・構いません。ダイワについたらこ・・ちらから迎えに・・あがります」
丁寧な言葉遣いに慣れていないのかつっかえつっかえ言いながらニットは会釈し、傍迷惑な主従は出ていった。
「タリア君、のぼせたって・・おじいちゃんハッスルして温度上げすぎちゃったのかなぁ」
「おい、てめぇタリアとヘタレの様子見てこい」
「ヘタレってリョウ君?いいけど、ケイン君は?」
従兄バカのケインだから、すぐにでも飛んでいくと思ったのだが。
「俺様は、少しユーゼ達に話がある」
「ふぅん」
「いつでも出れるよう支度させておけ。お前もな」
「うん、あ、ケイン君・・」
戸口で振り返ったケインに、キィロはわずかに顔を背けて。前髪に隠れて表情は窺えない。
「さっきの約束は、まだ有効?」
約束、と言われて天然温泉に連れていくと言ったことを思い出す。案外早くその夢は実現しそうだが、キィロが言いたいのは多分そういうことではなく。
「てめぇが温泉に幻滅しなかったらな」
ふやけるまで温泉につからせてやる。
捨て台詞のように言い残してピシャリと戸が閉まると、キィロは座布団を握り締めポツリと呟いた。
「やんなっちゃうなぁ・・もう」
泣きそうな声だった。
それから、のぼせたタリアと意気消沈しているリョウを見舞ったキィロは、真っ赤な顔でひたすらリョウを見ないようにしているタリアと、そんな彼の態度にますます傷を深くしているリョウに得意の軽口も発揮できず、ぼんやりと薄桃色の風景を眺めていた。
遅れて来たケインにどやされ、慌てて出立の支度をし、馬車に乗り込んだのだが。
ぎこちない二人はそっとしておくとして、走り出した馬車に4人しか乗っていないことにキィロは首を傾げる。
「ユーゼ君達は?」
「別に調査を依頼した」
「ふぅん」
「え!?一緒じゃないんですか?」
我に返ったタリアが腰を浮かせ、馬車の揺れでバランスを崩して隣に座っていたリョウの胸に倒れ込んで真っ赤になって慌てて飛び起きリョウが傷付いて眉を寄せるのにタリアも困ったように俯く、という一幕に苦虫を十匹くらい噛み潰したような顔でケインは答えた。
「調査の結果が出次第合流する予定だ。いやでもまた顔を合わせることになる」
「そうですか」
ほっと胸を撫で下ろすタリア。それから窓の外に視線を投げ掛ける。
キィロはそんな彼を盗み見ながら、ケインに耳打ちした。
「何の調査?タリア君のこと?」
「それもある」
それ以上の返答は得られそうもなく、キィロは肩を竦め、目の前で挙動不振な行動を取る二人を観察することにした。
そうこうする内に日は暮れ、一行はユリスギ共和国首都ダイワに到着した。




