よう魔王、やっぱりお前もザコじゃねぇか。ほら、本気出せよ。死んじまうぞぉ。
ということで、飛んで街の上空へ出てみたけど。
この世界。上から見れば見るほど、ビミョーな世界だな。
街は意外にも大きく、背の高い建物はいくつかもあった。
下からじゃあ、気づかなかったが、列車の線路が存在し、それが街の外へと続いている。
街の外は森と平原。岩山、整備も舗装もされていない風景が広がって、そこを線路が横断し、何かの採掘地みたいな穴の方へ線路は続いていた。
魔法と科学が共存して進んでいるせいか、他の街まではまだ線路が伸びていないのか……。
だが、それとは別に、大型の輸送用の自動車が平原の道を数台固まって走っているの見える。車は存在するのか……。
まあ、そんなことは良い。
それよりも魔王だ。
こんなけ発展した世界に魔王がいるなんて、信じられないが、神が言ったのだから、居るのだろう。
上空でオレは遠くを見渡す。
………。
あれか。
尖がった白い、険しそうな山の向こう。
明らかに雲が黒ずんでいる。雷光をちらつかせ、山のふもとから先が、深い深い闇に覆われている。
空を蹴り、オレ様は飛び出す。
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そして、山のてっぺん。
これはまた。
山を越えた向こうは、荒野だった。
分厚い雷雲に覆われ、昼間でも薄暗く、生命を感じない。
そして、そのむなしい荒野の置く、あった。
魔王の城だ。
石なのか何なのか分からないが、大きな真っ黒な白。黒い城壁が多い、中には複数塔になっている建物が見える。
さて、んじゃさっさとぶっ潰してやろうかねぇ!
飛び出す。
高速で、魔王城へと突っ込む。
目的は魔王城の中で一番高い場所。
その窓を魔力を光の球にして吹き飛ばし、入口を作る。
そして武曽は破壊された、その城へと突入する。
「ここが魔王城かぁ」
城の中を見渡しながら、武曽は歩く。
――お。
そこには魔王がいた。
黒色の全身を覆いかぶさるコート。化け物のような程の巨体。それは――大きなそいつ専用に作られたのだろう、大きな赤い玉座にずっしりと座っていた。
「お前が魔王か?」
顔は見えない。真っ暗な闇がフードの中に存在する。
そんなこと、どうでもいいがな。
「きっ、貴様!?結界をどうやって抜けてきた!?」
「あん?結界?なんだそれ」
ん――ああ。多分、オレ様が飛んできた間の場所に、何らかの壁があったんだろうが、ハッキリ言って、そんなものひ弱すぎて気づかなかった。
所詮、レベル500代か。
魔王――レベル550。
神よりも少しつよぐらいか。
「ほら魔王、本気でこいよ。じゃねえとしんじまうぞ?ああん!」
オレ様は魔力で圧を飛ばす。
それに気づいた、魔王も武曽が敵だというを認識する。