表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/67

結局のところテメェは自由だな

 好きだからそうした。

 ローザが好きだから。


 オレ様を殺した。


 愛こそが――フィーの原点。


 なんだそれ?


 原点ってなんだ?


「原点――根源はその人の存在する意味やで?行動のすべてって言うんやろうな。そういうもん。存在する魂には、行動を意味する原点があるんや、ウチらはそれを元に生きている、生まれ変わっても変わらない世界に存在する意味。やから――それが消えてしまったら、あんさんやウチみたいにこうして世界からはみ出す。捨てられる」


 つまり――オレ様がここに居るのはフィーに殺されて原点を失ったから。

 フィーが原点を消したから。


 そんなことを可能とするとか、どういうやつだよ。

 何度も転生を繰り返して、なんでも知っている、何でもできるとように感じては居たが、それでもオレ様ができること知っている事には限界があるということ……。


 オレ様は、オレ様の原点を知らない。


「オレ様の原点は?」


 思い、シノに訊く。


「うんなもん訊かんでも分かるやろ。転生や」


 そりゃそうだ。

 100回1000回いくたもの転生を繰り返してるんだ。分かる。オレ様の原点はそれだ。

 だから――オレ様は転生し続けた。

 原点は転生。


「ちなみにな――一度転生するのをやめたことあったやろ?あん時、あんさん原点と背いた行動して、世界から干される寸前だったんやで?まあ――それも結局、彼が介入したから、そうはならんかったんけどな」


(そんな大事だったのか……)


 確かに、大事ではあったが……。世界を破壊して、管理者どもも吹っ飛ばして、別次元を揺るがそうとした。大事だ。


「――ちなみにウチの原点は求めやった」


 シノはティーポットとカップをテーブルの奥に追いやり、頬杖をついてこちらを見ながら言う。


 その求めをフィーに消されたからここに居るのか……。


「まあ――今じゃ原点を放浪に書き換えてしもうたけどな……」


 薔薇をポケットにしまう。

 

 よく分からないが、シノも色々あったのだろう。っていってもオレ様には関係のない事なのだが。


 ――いや、まて……。

 原点を書き換えただと?

 フィーに殺されたから、原点を奪われたから――オレ様は今ここ居ることになる。少なくとも、シノの話では。

 それを――シノは書き換えたと言った。

 なら、つまりは――


「じゃあ――なんでお前ここにいるんだよ」


 原点がないからここにいるんじゃないのか?

 原点が欠けてしまったから、ここに放り込まれたのでは。


「うにゃ――それはただの趣味やな。ここだと、色んな世界が覗けるからな、放浪がてら気まぐれでここにおる」


 なんだそりゃ。

 自由過ぎんだろ。


 いやまて――


「なら、オレ様はこの世界から出る方法あるのか?」


「あるで。それが今回ここにウチがおる理由や」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ