なぜ?
瞬間――周りはオレ様たちに驚き、悲鳴を上げる。
無理もない。街中で、ナイフを持った女の子と、魔法の光を激しく散りばめさせる剣がでてば。
目立って――驚くに決まっている。
それでも――そんなことにお構いもしない。
目の前の女の子は危険だ。だからこそ全力で――。
シャイニングブレードを振るう。
閃光を撃ち飛ばす。
だが――
「な!?」
光は女の子にとんだ。
とんだのが、切り裂かれ消滅した。
女の子は、迫りながら持っているナイフを振るうと、シャイニングブレードの閃光は消え去ってしまった。
それと共に、シャイニングブレードも光を失い、オレ様の手から消滅する。
―――っ。
目の前に迫る女の子にオレ様は飛び引こうとする。
が――
「ぐっふ――なにが……」
その場に倒れる。胸に強烈な痛みは左胸に響いて、オレ様は地面に倒れた。
確かに――確かに飛び引いたはずなのに。まるで、ずれたかのように、その時にはもう胸にナイフは刺さっていた。
周りから大勢の人の悲鳴が聞こえる。
見ると、女の子はナイフを振って、血をぬぐい後ろ腰にしまっていた。
そして――そのまま何事もなかったように歩いていく。
「くそっ……たれ……」
暗転する。そこでオレ様の意思は途絶えた。
闇の中へ落ちていく。
――最後に見えた光景は、赤い薔薇の紋章がついた扉が現れたとこだった。




