表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/67

ああん?なんのつもりだこのガキが!ふざけた野郎だ。てめーはさぞ弱いんだろうなー!

「んーなんでって……」


 ふと、左前髪につけている赤い薔薇の髪飾りに小さな左手で触れる。


(あの髪飾り……)


 知っている。

 そう――知っている。

 オレ様がこの世界に更にその前、転生する前。

 いつか――オレ様が転生に飽き飽きしたその時だ。


 その時に戦った女どもが――この女の子と同じように薔薇の髪飾りをつけていた。

 色と形は異なるが、雰囲気はまさにそれだ。


「テメェ――ローザところの女か?」


 訊いたオレ様に、女の子はんーと、考え。


「ローザ?ああ――マスターのことか……」


 おとぼけたように返してくれる。


(ふざけやがて……)


 ローザ。

 そう――ローザだ。

 世界を破壊し、想像する程の規模で戦った。オレ様が唯一本気を出して戦った野郎。

 結局、あの野郎は倒しても倒しきれなかった……ふざけた野郎だが、オレ様は転生の意味に気づかされた。


 ふざけた野郎だったが、侮れない奴でもあった。


 ハッキリ言って――詳しい事なんて知らないがな。


 で――こいつは、そのローザの仲間なのだろう。あの魔女や剣士と似たような。


「ローザの仲間がオレ様になんのようだ?」


 わざわざオレ様に何か用があって、接触するような奴には見えなかった。それなのに、今更なんだって言うのだろうか。


「なにって……」


 女の子の笑顔が止まる。

 そして、後ろ腰から一本のナイフを抜く。


 金の柄に蒼の透き通ったような刃。

 柄にはよく見ると、薔薇の紋章が刻まれている。

 まるで――王家にでも収められている宝のようなナイフ。

 それを抜いた。

 何人もの――人がすれ違うこの街中で堂々と。


「マスターに害を及ぼすようなものは、居ちゃダメなの……。大好きなマスター。フィーはマスターを守る使い魔だから、こうして危険なものは一つづつ消す……」


(って――ことはこいつ)


 オレ様を殺しに来たとでもいうのか?ふざけやがって。黒い薔薇の奴でもレベル1500だった。だが――それでもオレ様には及ばない。

 ローザのエンチャントでようやくオレ様に追いつくレベルだ、こいつらは。

 なら――その守護者なら強さ的にはほぼ変わらないだろう。

 舐められたもんだ。


「ハハッ――ガキがっ、あまりオレ様を舐めんじゃねえぇぞ」


<<オールスキャンライブラリー>>

 オレ様は女の子の力量を見る。

 昔とは異なる。個人の力ではない、対象の全ての力を、それは対象だけの力だけではなく使う全ての力をみて図ることができる。

 この魔法は相手のすべてを、強さを間違えなく見ることができる。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ