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後②


「俺をお前ら見たいな規格外と一緒にしてくれるな」


 ため息をこぼすローザ。


「ですが。アナタは事実、彼相手に勝利しているじゃないですか。世界を破壊し、創生すできる力。我々では対処はできなかった。――それを戦って勝利したでないですか?」


 事実ローザは武曽に勝利している。そうでなければ、ここに存在するはずがない。あの規模の戦いは、存在をかけた戦いでもあったのだから。だからこそ、本気を出さない訳がない。それどころか、謙遜するローザの力は間違いなく、美代やカレン、それ以外をしのぐ力は間違いはない。


「勝利ね。そりゃそうだ――戦ったあの空間じゃ、負けない。というより負けるはずがなかったんだよ」


「それどどうして?」


 とカレン。


「フィーの奴、空間に一つ理を作ってやがった」


 それに、カレンと美代は、それは?と。


「<マスター絶対に敗北しない>――ふざけたルールだよ」


 詰まらなそうに、言い捨てた。


「それじゃぁ、アナタは最初から負けるはずがなかったの」


 カレンの問いに、ローザがそうだと。頷く。


「それ自体は、俺も勝手に降りてきた女神も知らなったけどな。お前たちがくる前に、出禁を破ったことと一緒に問い詰めたら、そんなこと言ってくれたよ。ホント――とんだ茶番だよ」


 ローザ嘆息して、笑って見せる。


「そうですか。そんなからくりがあったとは……。とは言え、おかげで彼を止めることができた。本当に頭が上がらないです。この度はありがとうございました」


 深く頭を下げる美代。


 その美代を横目に、カレンは微笑して。


「でも――もし仮にそのルールがなければ、アナタはどうなってたのかしらねぇ?それこそ本気を出してのかしらぁ?」


 カレンが笑みを浮かべて訊いた。


「言ったろ?お前たち規格外と一緒にしてくれるなって。あの空間ならどの道、消耗戦だよ。あの空間では死の概念はない。ないルールは適用しない。本来ならあいつが勝手に消耗して終わりにするつもりだった。まあ――無理やり理に俺の消滅を書き加えるなんてのは予想外だった。その辺りは、フィーのファインプレイがなければ本気で消えていたかもな。とは言え――物語にすらならない話だ。今更そんなことどうだっていいよ。でなければ、こうして主人公の座を奪うように出しゃばらない」


 そう――とカレンはつまらなそうに紅茶を優雅に飲んでローザの話を流した。


「なら――全力のアナタはどんな感じなのでしょうね」


 紅茶を飲みながら、赤い瞳がローザを睨む。


「カレン」


 挑発ぎみのカレンを美代を止めるが、ローザは鼻で笑って。





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