異世界転移VS異世界転生
――な、なんだって!
そんな反応でもするかと思ったかよ!
たかだか力を借りる程度、その程度でなに自慢げに言ってやがる。
それでも、所詮は元はザコだ。どれだけ力を借りようとも弱い事に変わらない。
「だったらどうした!」
武曽が飛び出す。
「お前が転生して究めた力なら。俺は転移して繋いだ力って訳だ」
再び剣戟が始まる。
ただし、今回はそれだけではない。剣戟と共に、二人は魔法を繰り出す。
武曽が世界を破壊しうる威力をもつ技を放てば、ローザもそれに匹敵する斬撃を出し、それを交わす。
空間は弾けて、破れ、切り裂かれるが、そのたびに、その衝撃で空間を震わせる。
激しい攻防。普通ならば世界の一つや二つ既に簡単に消滅している領域。そのレベルの力がぶつかり合う。
ははっ――いいねえいねええ!楽しいねえ!だが、まだだ、まだこんな程度じゃ足りねえぇ!
<<ビックバン>><<エンドオブザワールド>><<クリスタルコート>><<デッドエンドクライシス>>
世界を破壊しうる、技をすべて放つ。そこに策などない。
ただただ、強大な力を放ち。目の前の奴に本気をぶつけようと。さらなる自分の本気を出そううと。武曽は放ち続ける。
「――っ」
爆発と、魔力のレーザ。押し寄せる攻撃へ対応するも、ローザは顔を歪める」
「どうした!どうした!さっきまでの余裕は!オレ様は本気じゃねえぞぉ!」
いくつもの、禁呪など言える様々な世界にある、唯一無二の最大の力を力を放り出す。
見たところ、女神以外の奴をエンチャントしているようだが、それでもオレ様は止まらない。
オレ様のレベルは1600。だが――今これ見てわかる。そんな、レベルははるかにオレ様は凌駕している。
「くそったれ……」
余裕綽綽だったローザが初めて、暴言を吐いた。
ははっ――もっとだ!もっと火力上げて、力を増幅だ!
名もない魔法を繰り出す。それは魔法でない。超越術――オレ様はついに自身の最大の力へとたどり着く。
それは世界を創造しうる世界。いや、もしくはこの無垢な空間さえ破壊しうる!
膨大な力は武曽の周りから飛び出し、空間へ亀裂をいれながらも、溢れた力はローザを襲う。
「終わりだ!」
力がローザへと激突する。
そのすさまじさは、オレ様はですら力あまり押しとばれそうになる。
――空間は崩壊し、その場はなくなった。
そして――再び空間は収束して元へ戻る。
武曽の放った力は概念の存在しないこの空間に、無理やり破壊という理もみいだした。
ローザの姿はない。




