今回の世界はテンプレートの様でテンプレートじゃない あーなんだこのアベコベ。アホみてぇ
――で?
なんだここ?
異世界とは名ばかりだ。
思ったのと違う。
オレ様が思ったのはファンタジー溢れる、剣と魔法――ありきたりなまともに文明も発達していない、テンプレートよろしくな世界だと思ったが、なんだこれは。
レアティ世界のくせに、結構文明発達してやがるじゃねぇか。
いや、レアティだからこそ発達してるのか。
今までの世界でも、ランクが高くなるほど、文明が科学的に発達してない傾向もあった。
この世界は、科学と魔法の発達を中途半端にしたって感じだった。
なぜなら――
あの神を消して目を覚ませば、オレ様が居たのは、白い石のレンガでほぼ構築された街だった。
よくある、ああよくあるファンタジーの町並みだ。
けれど――よく見ると違う。
街なみは大通りで人が何人も歩いている。ここは大通りの中心か?円形のそこで、よく見ると。文明の発達があるのが分かる。
自販機っぽい、鉄の塊が置いていがる。
それだけじゃない。大通りからその先、街の中心なのか?そこでは鉄の建物か?ビルか?四角柱の高い建物がある10階はありそうだ。鏡張りの清潔感のある建物だ。
こいつは……。ここはどこかの大きな都市なのか……。
石でできた建物と、鉄の建物が入り混じっている。なんだこれ。
ちっ、こんなくだんねぇ世界に呼ばれるとか。
兵士っぽいやつも鎧じゃなくて、制服っぽい。紺の制服っぽい格好に、ライフルみたいな銃を持っていやがる。
見た目は強そうだが、レベルを見てみても、100もない。ざっこ!
あー、もういいよ。少し移動するか。うっぷん晴らしに、裏路地の治安悪そうなとこ行けば、アホみたいなの居るだろ。
武曽は移動し、街の日陰になってそうなとこ、レンガ張りのほそっそい通路へと入る。
ちなみに――武曽は前の世界で魔王を倒した時の見た目だった。17歳の姿。若い動きやすい姿。神の間に居た時の姿だった。
そして――入った裏路地。
ほら居たよ。
ああ。お決まりですか?はいはい。
――何が居たって?
ナンパ?それとも強姦?まあどっちでもいいや?女が、それも15ぐらいか?若いやつが、チンピラ?赤髪に、金髪、青髪の青年。軍服――さっき見た兵士みたいな服装をしている。そんな奴が、女の子だ、同じようなピンク髪のロングヘアーの気の弱そうな、同じ軍服を着た子に絡んでいた。
なんだ、この信号機。
とりあえず、見とくか。
<<スキャンライブラリー>>
相手の力量を見る。
赤――83。金――74。青――56。
はあ……。
で?一応女の子の方も見とくか。
女の子――403。
は?
目を疑った。
だが、間違えではない。
しかもこいつ、自力で世界を移動してる。
オレ様の転生とは違う。自分の存在をその世界で保ったままの異動。異世界転移。へぇスゲーじゃん。
いくつもの世界で、オレ様と同じように異世界を移動奴はみたが、自分で移動する奴はそう居ない。
武曽も、転移はできなくはないことだが、限界があることだ。移動できる世界とできない世界がある。自由に自分で選んで世界は武曽でも、移動はできない。
まあ、世界の移動なんて、とある理由によりメンドクサイからいちいちしないのだが……。
もう、神の転生地獄抜け出したので、この世界に飽きたら武曽は移動することを考え、それもできる。
とはいえ、そう簡単にできるものではない。
それをできている。この女。しかも、弱いふりとか。ハッ――。
笑みがこぼれた。
クッソ見たいな世界だったが、面白そうな事があるじゃねぇかと。
でもまあ、レベルはあんまだけどな?オレ様の力なら簡単に撃ち亡ぼせる。
見ていたら、赤が女の子を手を無理やり引き始めた。
女の子は嫌がっている様子だ。