なんだよこの神秘的風景、きれいすぎじゃねえか。ていうかテメェいつまで弱いふりしてんの?それだせぇよ?
視界は真っ白な光が包み、オレ様の体はどこか着地した感覚を感じる。
ここは……。
眩い光に思わず目を伏せて、目を開けてみればそこは見知らぬ場所であった。
いや――場所というのだろうか?空間と言った方がこの場合は適切だ。
神秘的な風景。
ゴロゴロとどこか遺跡のように、岩の残骸がいくつも転がり、足首までの量のある水量。赤や青、オレンジ、黄色、紫と言ったカラフルな絵の具を混ぜ合わせた色のした透き通る水面が、地平線が見えるまでどこまでも続いている。空を見上げればオレンジから地平線に近づくにつれて紺色へろ変わっており、そこに鈍色の雲が無造作に霧のようにかかっていた。
なんなんだここは。
見たことない世界だ。幻想的な風景に、オレ様ですら美しいと思っていしまう。
オレ様をこんなとこに誘い出してどうする気なんだよ。
だが、これだけの異質の世界への道を作れるなら、それ相当の力を持つ者がいる。
楽しみだ。
もっともっとオレ様は力を出したい。本気だ。本気を出したい。
それに――この世界を用意したのは、どうせあいつだろう?
「――なあ。ローザさんよぉ!」
横に積みあがる瓦礫の山に膝を立て、頬杖つき偉そうに腰掛け武曽を見るローザに、武曽はそこに居るのは知っていると言わんばかりに声をかけた。
「俺は平和主義だよ」
小さく口元が笑い、ローザが答えを返す。
こいつ――この期に及んでまだ知ら切るのかよ!
「テメェ――いつまでふざけてんだ。オレ様はバカじゃあない。あれほどの力を持つ奴を三人従えて、その上、時空管理者と協力関係にある。それに――オレ様が撃ち放った攻撃は一撃でテメェみたいな野郎は余裕で消し飛ばせるもんだ。それを、避けもせずにまともに立っていられるもんか。オレ様が最後に捕えれいた時、テメェがそれを避けている動作すら見ていない。何をした?」
「さあ?俺を守ったのはカレンだ。カレンも本部に報告するって戻っていったから、俺にも分からん。ああ――それと。俺は時空管理者の協力者じゃないぞ。たまたま、カレンに協力することになったが、実際はあんたと同じだよ。アレと俺たちは敵だ」
だったらなんで協力してんだよこのヤロウ。
とはいえ、あれはカレンの力で避けたのか――いや。そんなはずはない。
何故なら、あの時、あの瞬間。世界を移動する感覚は確かにあったのだから。
ローザの何らかの力で、世界を移動したて避けたのは間違いない。、
ふざけやがって……。
大体、この世界もなんなんだよ!見たこともない、感じたこともない力をいくつも感じる。気持ち悪い。
その違和感が、ローザを余計に不思議足らしめている。




