異空間の海ってのは広いねえ。おっ誘われてるじゃん。あの野郎まだ来てんだな
さぁて――まずは手始めにどこからつぶそうか?
空間渦巻く世界。世界と世界の間。時空移動のトラベルな世界を飛び、オレ様は考える。
広がるのは臨死体験でもしているかのような、光がねじれ狂う、不思議な空間だ。
これがオレ様の世界を移動する方法。
世界を移動する方法にはいくつかあるが、オレ様の場合無理やり時空に亀裂を開け、ソレを渡る方法だった。
まあ、言ってしまえば、無理やりな世界移動。非合法ってやつだな。
光渦巻く空間を飛び、手ごろな世界はないかとさまよう。
――が。
背後から、何か気配がする。
ごうごうと音を立て素質は光を突き飛ばして、現れた。
「でっけ!」
大きな大きな。戦艦?
船だ。大きな灰色の鉄の塊が後ろから押し寄せてきた。
数百人は余裕で乗れそうなその船は、オレ様を追うように空間を飛行した。
「そこの犯罪者止まりなさい!」
戦艦から大きな声が響く。
止まれと言われて止まるやつがいるかってーの!
――こいつら、時空管理者か!?
これが、時空管理者の拠点。
時空管理の船……。
すげえやあ。
はっ!
手始めにいいだろう。
こいつでも破壊してやる。
「止まらないなら撃ちます!」
戦艦から聞こえ、巨大な戦艦の正面にこれまた巨大な魔法陣が浮かぶ。
それは雷を帯びて、周囲の力と光を吸収しはじめる。
撃ってくるか?
戦艦はチャージを終えると、ソレは飛び出した。
空間を震わせ、突き抜け、武曽へと放つ。
いいねえ!その威力!
だが――、
「<<ディバインテーション>>」
武曽も魔法を放つ。
空間から光の球体がいくつも現れ、それらは一直線にレーザーを戦艦に向けてはなった。
お互いに大きな力はぶつかり合い、光が空間を舞う。
そしてその力は圧倒したのは武曽だった。
レーザーは戦艦の砲撃を突き抜け、そのまま戦艦を貫いた。
ドゴオオオオオオオオン!
大きな爆発音と共に、戦艦は煙上げ、異空間の海へと沈んでいく。
ははっ!
よえぇ。巨体のくせに飛ばす力はあんなもんかよ。
時空管理者の力もしれたレベルだなあ!
落ちる戦艦を見下ろし、武曽は異空間を進む。
と――よそ見をする武曽の行く手に、薔薇の文様の刻まれた扉が現れる。
なんだ!?
扉が武曽を吸い込む。
誘わてるのか?
いいだろう、行ってやるよ。
あいつだ。そう確信する。




